Midwinter Seminar

日本臨床免疫学会

参加者の声

  • 運営委員と講師・参加者一覧
  • 参加者の声
東北大学 血液免疫科 高橋 令子
他分野の先生方にいただいた、新鮮で有意義なご意見

この度、臨床免疫学会の新しい歴史のはじまりとなる第一回目のMWSで、第一番目の発表者として発表させていただきました。
私は、筑波大学膠原病リウマチアレルギー内科 住田孝之教授の元からアメリカ留学を経て、現在は東北大学血液免疫科 佐々木毅教授の元で、引き続きSLEの原因・病態の解明、特異的な治療法の開発に向けて、研究を続けております。この度、東北大学で始めた「パルボB19ウイルス感染症と膠原病の発症の関係」というテーマの研究を発表させていただきました。完成していない、これからの結果を発表させていただきましたが、非常に多くの質問、御意見を頂きました。その反響は非常に喜ばしく、有り難いものであり、勇気付けられました。また、臨床免疫という枠でいろいろな先生方が集まっていますので、普段はお会いする機会の少ない、膠原病内科以外の先生方からのご意見は、非常に新鮮で、有意義なものでした。

通常の学会のような発表・質疑のみの形式ではなく、このセミナーはチューター制をとっているのが、一つの特徴と思います。私のチューターは、大阪大学田中先生でしたが、非常に御世話になりました。
沖縄の素晴らしい環境と、たくさんのおいしい御食事、そして、臨床免疫学を通じて、病気の発症の原因を見つけよう、治療法を開発しようという、同じ志を持った同年代の先生方とのたくさんの議論は、今後の大きな糧となりました。今後も是非お付き合いを継続させていただけましたら、有り難く存じます。
最後に、このような素晴らしい場を与えてくださりました、臨床免疫学会に感謝を申し上げたいと思います。

ページの先頭へ戻る
産業医科大学 第一内科 澤向 範文
他分野の優秀な先生と交流できた、密度の濃い4日間

MWSとは何であっただろうか。第1回のこの会に参加させて頂き今振り返って思うと、ひとえに人材交流の場であったという事なのだと思う。当初この会がどういう物なのかということは、何も分らず参加した。私はマスト細胞をやっているが、そのことを広めたい程度は考えていた。しかし、これ程有意義な会になるとは予想していなかった。

まず昼であるが、私は膠原病内科医であり、全国の大学から来る皮膚科、眼科、基礎系等、他分野の優秀な先生と交流でき、意見を聞けたことは貴重であった。全く考えたこともない非常に参考になる内容もあれば、同感すること、当然興味のない話もあった。しかし総じて、考えの幅が広がったということに集約される。発表者は全て若手であるが、各発表の最後に後ろで聞いている有名な先生方のコメントも聞けて、大いに勉強になった。マスト細胞に例えるなら、顆粒を十分貯留することができた。

夜であるが、私は毎日誰かと酒を飲みに夜の街へ行った。沖縄の2月、周りに何もないところで合宿の様に行われるこの会であるが、毎晩タクシーで近隣の繁華街へ泡盛を飲みに行った。一緒に行く人は毎回違っていたが、全体の3分の1位の先生とは一緒に飲みに行けたので、これが良かった。夜中2~3時まで飲んでも、当然皆、朝には欠けることなくセミナーに参加し質問していた。この行為がマスト細胞の「脱顆粒」と呼ばれる訳だが、マスト細胞は脱顆粒しても再び顆粒を蓄える細胞であることを強調しておきたい。

かなり密度の濃い4日間であったが、昼も夜も充実した時間を過ごせた。この会で知り合いになれた先生方との人脈は非常に貴重な物であったし、よい刺激になった。チューターの先生にも大変お世話になり、この場を借りてお礼申し上げたい。来年以降もこの会が継続されるとのことで、益々の発展を祈願しております。

ページの先頭へ戻る
慶應義塾大学 医学部消化器内科 知念 寛
異分野の知見を知り、今後の研究のヒントに

今回、MWSに参加するまでは、臨床免疫学会とは接点がありませんでしたが、沖縄で開催されるセミナーということに惹かれて応募しました。(私は苗字で分かると思いますが沖縄の出身です。)

当日までの準備期間では、私は大阪大学の田中敏郎先生をTutorとして御指導を仰いだのですが、御高名で御多忙な先生であるにも関わらず、きさくに頻繁にメールを頂き、プレゼンテーションのノウハウ等を学ばせて頂きました。
セミナー本番では、初日の竹内先生のKeynote Lectureには非常に感銘を受けました。

また、Young Investigatorの研究発表では、自分の研究が異分野の先生方の目から見てどの様に感じられるのかについてはかなり不安だったのですが、様々な視点からの建設的な御助言を頂き非常に参考になりました。

また、他の先生方の御発表では、普段接することの少ない異分野の研究について多くの事を集中的に勉強させて頂き、今後の研究へつながるヒントを沢山得る事が出来ました。

今回のセミナーを通して、多くの優秀な先生方が色々な所で各々の分野の難病に対し、基礎と臨床の両面から研究を進めていることを実感しました。私も自分の領域において基礎と臨床を結びつけるような研究をしていきたいと感じています。

ちなみに、私は、本年の4月からはMWSの開催された沖縄の琉球大学医学部第一内科で勤務しております。今年度のMWSも開催地が沖縄のようですので、何らかの形で御役に立てればと思っています。

最後に今回、このような素晴らしいセミナーに参加させて頂き、運営準備委員会委員長の竹内先生に厚く御礼申し上げるとともに、MWS事務局の田口様、沢田様をはじめTutorの諸先生方に心より感謝申し上げます。

ページの先頭へ戻る
聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 唐澤 里江
1人でも多くの方々に経験していただきたい、MWSの素晴らしさ

今回、第1回目のMWSに参加させていただき、準備期間を含め約2ヶ月間、本当に得るものが大きなセミナーでした。
まず、セミナー当日までの準備期間においては、基本的なスライド作成からプレゼンテーションのノウハウまでTutorの先生に熱いご指導をいただき、早速4月の学会でも生かすことができました。また、セミナー内容に関して、YI各人の意見を尊重していただけた事は、“皆で作り上げたセミナー”という実感がありました。

今回のセミナーで得たものは、

  1. 自分の研究に対して、他分野の先生方にさまざまな角度から今後の研究に生かせるようなご意見・ご指摘をいただけた事
  2. 普段伺う機会がない、他分野の先生方の研究に触れることができ、非常に刺激となりモチベーションを高めることができた事
  3. この会を機に、いろいろな先生方とお知り合いになれ、意見交換ができるネットワークを作っていただけた事でした。

また今回セミナーで得たものは、知識のみではなく医師・研究者として何か大切な事をTutorの先生方そしてYIの方々から学ばせていただいたように感じます。この貴重な経験を、今後の研究そして臨床に生かしていきたいと思っています。今後も、このセミナーが継続されるとの事であり大変嬉しく思うと同時に、是非1人でも多くの方々にこの会を経験していただき、MWSの素晴らしさを実感していただきたいと思います。“百聞は一見にしかず”、積極的なご参加をお勧めしますと同時に、実際の臨床に結びつくような研究がこの会から多数生まれていく事を願って止みません。

最後に今回、このような素晴らしいセミナーに参加させていただきましたこと、運営準備委員会委員長の竹内 勤先生に厚く御礼申し上げるとともに、お世話いただきましたMWS事務局の田口様、沢田様に感謝申し上げます。

ページの先頭へ戻る
慶應大学 皮膚科 高橋 勇人
同じ志を持つ研究者仲間と楽しく過ごせた4日間

この度、日本臨床免疫学会第1回Midwinter Seminarに若手研究者の一人として参加させて頂きました。
本セミナーは他の学会や研究会と異なり、その開催に先立ち、チューターの先生とのディスカッションを行う機会がありました。普通ですと、自分の上司と発表内容についてディスカッションをすると思いますが、他の研究機関の先生方とお話をすることによって、新しいご意見や考え方を教えて頂ける機会に恵まれました。参加者も若手研究者が30名弱で4名程度の小グループに分かれ、セミナー前から同じグループの参加者とメールで密に連絡をしたりと、本セミナーでは研究者同士の絆を形成することもでき、非常に有意義な企画でした。

実際の発表では、多岐にわたった話題を短期集中的に、拝聴することができ、同じ年代の若手研究者が実際に自分の目の前で、頑張っている姿を目にすることが、私にとっては大きな刺激となりました。
このセミナーの素晴らしい点として、会場のロケーションがあります。なんで沖縄?と行く前は思っていましたが、やはり沖縄!青い海を横目にサイエンスをディスカッションするのは私にとっては初めての体験でしたが、どことなくすがすがしい気分で、ディスカッションに花が咲いたのは言うまでもありません。

研究室にこもって実験をしている日々から一時解放され、同じ志しを持つ研究者仲間と楽しく過ごせた4日間は、思い出深く心に残りました。参加された皆さんとまたいつか楽しく交流ができればと願っております。最後になりましたが、この場をお借りしまして、本企画にたずさわれた関係者の皆様に心から感謝したいと思います。

ページの先頭へ戻る
大阪大学 機能診断学講座 藤木 文博
環境、食事、本業の発表&討論、すべてが素晴らしい経験に

既に、Midwinter Seminar(MWS)から2ヶ月が経とうとしている。MWSに参加できると決定した時は、私の学位はもちろん、私が指導していた修士の学生の学位がかかった大変忙しい時期であった。そんな折の参加決定である。tutorの先生とのlong discussionとスライド作りにも追われることとなったが、直属のボス以外の先生からいろいろなアドバイスを戴ける機会は初めてであったため、とても新鮮で勉強になった。そんな地獄の日々(仕事が遅い私にとって)を乗り越え、沖縄の青い空のような晴々とした気持ちでMWSをなんとか迎えることができた。

青い空と海に囲まれてのMWSは、ホテルの環境、食事、そして、本業のpresentationとdiscussion、どれをとっても素晴らしいものであった。自己免疫疾患についての知識が殆ど無い私にとって正直参加することへの不安はあったが、どの発表も興味深く飽きのこないもので十二分に楽しめ有意義なものとなった。特に印象に残った発表が2題ある。

ひとつは九州大学の吉村武先生の「実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)におけるTh17の関与」である。この中で、EAUの発症期では主にTh1が重要で、後期・慢性期の炎症にはTh17が関与しており、Th1からTh17へシフトしているのではないかと議論をされていた。もうひとつは、富山大学の伊藤靖典先生の「アトピー性皮膚炎におけるFOXP3陽性制御性T細胞の検討」で、アトピー性皮膚炎患者においてFOXP3陽性CD4+CD25+制御性T細胞が増加しており、重症度と比例していたという発表をされた。

どちらの先生にも、フリータイムを利用していろいろな話を伺う事ができ、今後の私の研究にとって大変参考になっている。とくに伊藤先生にはFOXP3の染色法について御教授頂いている。やはり、MWSの本当に素晴らしいところは、多くの研究者と寝食をともにして交流を深めることができるところ、これに尽きる。
そろそろ、苦労していたFOXP3の染色が上手くいきそうである。私の研究はMWSに参加して間違いなく一歩前進したのは確かである。

ページの先頭へ戻る
札幌医科大学 病理学第一講座・整形外科学講座 塚原 智英
大変充実した、リゾートホテルでの3泊4日

とても思い出深いセミナーでした。リゾートホテルで隔離された3泊4日、大変充実したものでした。MWSに参加して感じた大きな特徴は、(1)若手研究者が発表とディスカッションの主体であること、(2)発表前に発表内容・形式についてチューターと綿密な予行と準備がなされていたこと、詳細なハンドアウトや自己紹介を用意していただいたこと、(3)環境がとてもよかったこと、でした。

(1)では、実際に実験を動かしている若手研究者が自分の言葉で話すので、ディスカッションを通じて実践に即した話を聞けたり、また学会等では決して話すことのない苦労話を共有したりすることができました。(2)では、札幌-東京間での、のべ3時間の電話予行を通してチューターの第一回MWSの成功への大きな意気込みを感じ、ちょっと引いてしまいながらも、感動しました。私の発表スライドはおかげさまで70枚超から30枚に削減することができました。ハンドアウトは、フォローしきれない発表内容でも何度も見返して理解することができました。また自己紹介シートでは、皆さんの意外な一面を知る事ができて親睦を深めることにも役立ちました。(3)では、常夏の沖縄のすがすがしい暖かな空気を吸いながら、現実離れした環境に身をおけて、-20℃の札幌をしばし忘れることができました。

また、私は腫瘍免疫を主体に研究を行っていますが、MWSでは自己免疫疾患、膠原病の専門家のチューターとお話することができて、感銘を受けました。私は、免疫でがんを治すことは不可能ではないかと一番感じているのは腫瘍免疫の専門家自身だと思います。しかし、自己免疫専門の先生が、がん免疫療法は必ず効く時がくる、と信じて私に多くの励ましをくださったことには、大変勇気づけられました。今後の研究に対するモチベーションを増やすことができました。

今後も、MWSが継続・発展することをお祈りしております。

ページの先頭へ戻る
東京医科歯科大学 小児科 発生発達病態学 高橋 尚美
学会や普段の研究生活では得られない貴重な体験ができた

沖縄には何度か行ったことがあったが、冬の沖縄は今回が初めて。空港に降り立つと、その暖かさに驚いた。これなら、2月でもダイビングができるというのも頷ける。
会場に到着すると、分厚いシラバスを渡された。中には、発表内容のほかに発表者およびTutorの写真付き履歴書がファイリングされていた。一概に「免疫」といっても、自己免疫疾患から免疫不全まで、疾患もたくさんあるし、診療科も内科、皮膚科、眼科、耳鼻科、小児科など多岐に渡ることを改めて認識し、今回のセミナーがいかに内容の濃いものであるかが連想された。
行くまでは、日本臨床免疫学会という学会の名称から、参加者は医師ばかりで臨床データに関する質問が多いことを予想していたが、研究の方向性に関する話題も多く、様々な角度から繰り出される質問や意見、それに対する討論は、普段自分のいるラボではなかなか得られない意見も多く、また、自分では気が付かなかった疑問点が次々と質問されるのに驚き、とてもよい刺激になり、また勉強になった。
あっという間に時は過ぎ、気がつくと沖縄とは10度近い気温差にふるえつつ、分厚いシラバスと沖縄土産のちんすこうを抱えラボへ戻っていた。

本セミナーに参加して、研究がより魅力あるものであることを再認識し、さらに研究に対する積極性が増したように思う。また、知識・情報の蓄積、より魅力的なプレゼンテーション法の勉強、および免疫疾患の研究に取り組む諸先生方と同世代(?)の若手研究者との交流など、学会や普段の研究生活では得られない貴重な体験ができた。今後は、今回の発表した研究内容をよりよい形で世に出せるように精進していくとともに、他の研究活動にもより積極的に取り組んで行きたい。
今後とも本セミナーの継続を切望するとともに、「免疫疾患」研究を志す方々に是非本セミナーへの参加をおすすめしたい。

ページの先頭へ戻る
東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科 及川 恒一
次回参加者の方には躊躇せずに応募してほしい

それは自分の専門外のリウマチ内科、皮膚科、眼科などの先生と積極的に交流できたことです。はじめのうちは参加者みんなが緊張し、なかなか打ち解けられないかなと思っていましたが、そんな不安はすぐに消え去りました。初日の夜に早速飲みに行ってすぐに意気投合し、最終日にはまるで遠距離恋愛の恋人達のようになんと分かれるのが寂しいことかと感じるくらい仲良くなっていました。ひとつの場所に集まって同じ会に参加し、一緒に食事をして、さらに夜は寝る時間を削って酒を飲む。また翌日は遅刻することなくペットボトルをがぶ飲みしながら会に参加するといった感じで、あっという間の4日間が過ぎ去りました。

また場所が沖縄というのが最高でした。どうしても日常的な場所で行うとついつい仕事が気になってしまったりするからです。きれいな海を横目に見ながら泳げないのは残念でしたが、非日常的な場所で行うというコンセプトは今後も是非続けていただきたいです。内容的には最初のオリエンテーションの竹内先生の話(さらにTシャツ)がとても印象的で、なぜこの会を開催する必要性があるのか、また研究したことを常にベットサイドに戻すことを考えることが研究者に一番必要なことであるなど、最初からすっかり引き込まれてしまいました。発表も非常に優れ、とても興味深いものばかりでありました。また若手中心の会なのでTutorの先生たちは基本的には質問せず、参加者たちが気軽に質問できるという雰囲気がよかったです。Tutorの先生には参加前からメールで何度も熱心にご指導していただき本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今回MWSに参加して本当に多くの先生たちと知り合えたことは自分の大きな財産となりました。

次回参加者たちにアドバイスできるとすれば、躊躇せずに応募することです。そして参加がきまって飛行機に乗ったとき、隣の席にはあなたと同じMWSに参加する先生がいるはずです。おそらく相手もこの日とたぶんMWSに参加する人なんじゃないかなーと思っているはずです。ぜひ勇気を出して話しかけてみましょう。

ページの先頭へ戻る
長崎大学 皮膚科 皮膚病態学 皮膚科 小村 一浩
ディスカッションへの参加意欲がわく貴重な経験

ルーチンワークに少々行き詰まっている矢先にMWSの募集要項を目にした。

真冬の沖縄、以前学会で訪れた開放的な空間を連想した。無意識のうちに推薦状を教授に書いてもらっていた。

発表者とスクリーンを囲むようにVの字に配置された机。大体同年代の他の参加者が、前方に着席し、チューターの先生方は最後列でディスカッションを見守る。ざっくばらんな質問が飛び交う。その雰囲気の中で徐々に自分も参加しようという意欲がわいてくる。こんな会は初めての経験だった。

自分の発表にも異分野の方々から、今までされたことの無いような意見をいただいた。それらの質問は後でゆっくり考えると本当に的を得ていて、建設的なものが多かったように思う。

また、他の参加者との相部屋であったので夜もお酒を片手にいろいろな話をした。MWSからかえった後には、得体の知れない自信が残った。教室の人からは、教室のカンファに対する積極性がでてきたことを指摘された。また、かえった後に近隣の地区から参加された先生と再会し、早くも思い出話に花が咲いた。

おそらく、私にとって一生忘れることの無い機会であろうと思われた。

ページの先頭へ戻る
埼玉医科大学 総合医療センターリウマチ・膠原病内科 鈴木 勝也
研究発表の細部にまで検討が加えられた、高いレベルの議論

記念すべき第1回セミナーの出席者に選考頂き有り難うございました。多忙の中、運営委員会の先生方、スタッフおよび後援各社の皆様のご尽力により、事前の期待を超えた有意義な会となり参加できまして光栄でした。紙面を借りましてまず深謝致します。
Keynote Addressで竹内運営委員長が紹介されましたとおり、本セミナーの原型は米国臨床免疫学会(Clinical Immunology Society)の School in Systemic Autoimmune Diseasesであります。2004年3月にニューメキシコ州のSanta Feにて、第1回会合が開催されました。世界中から自己免疫疾患研究の指導者と若手研究者が公募され、竹内教授がInvited Faculty 7名の一人として、私もApplicants 25名の一人としてその会に参加させて頂きました。砂漠の中のホテルに4日間缶詰となり、朝から夜まで順番に全員発表し議論をする会でした。Native Speakerばかりで私には荷が重かったですが、数多くを学び親交を深めることができた充実した会でした。その会の強烈な印象から日本でも同様の会を催したいと発案され、山本理事長の御英断により、本年ついに実現となったとのことでありました。

両会に参加させていただきましたので比較してみますと、期間、規模、選考方法、会議形式等は、ほぼ同じスタイルを踏襲されていました。本会のTutorは現在も研究の第一線で活躍されている世代で、Young Investigatorも卒後10年前後が中心であったことで、最新の情報を基に、研究発表の細部にまで検討が加えられ、議論のレベルはむしろ高かったのではないかと思いました。また本会は膠原病ばかりでなく臨床免疫の各分野から参集し、臨床免疫全般の共通の課題が度々取り上げられたほか、各分野の専門家からのコメントがタイムリーに加えられたことも議論に深みが増した要素でありました。そして、砂漠の中も趣きはありましたが、やはり冬でも常夏の沖縄で美しい海が眼下に広がる最高のロケーションでありましたし、色彩豊かな手作りのシラバスは、本会が一歩勝っていたように思いました。

臨床免疫学あるいは学会の存在意義が徐々に失われているという意見がありますが、本邦においてはむしろ重点分野であるべきとの考えに私は賛同します。米国連邦政府はその重要性を認識し、数年前よりトランスレーショナル研究に多額の投資を続け、分子標的治療薬や免疫調節薬の分野でグローバル戦略を押し進め、莫大な果実をすでに手中に収めております。臨床免疫学は基礎免疫学の成果を臨床の課題の解決に如何に応用していくかというロベルト・コッホや北里柴三郎以来の伝統があり、関連学際領域の進歩に伴い新たな発展を迎えている挑戦しがいのある学問分野と思います。若手が膝を詰め切磋琢磨できる本会は、正に期を得ており臨床免疫学を志す者の登竜門として格好の舞台でした。本学会がPhysician Scientistのホームグラウンドとして魅力ありつづけるために、本会を契機に盛り上げていくことできれば望ましいと思います。私も一会員として微力ながら貢献していきたいと思っております。

最後に、我こそはと思われる方は是非とも来年の会に応募されることを強くお薦め致します。体験することに意義があり、きっと何かが得られると思います。

ページの先頭へ戻る
富山大学 小児科 伊藤 靖典
ディスカッションを通して学んだmethodsや「コツ」

暖かい沖縄からもう2ヶ月。ようやく北陸富山にも暖かい日差しが降り注ぐようになって来ました。
ひょんなことから、このセミナーのことを教えていただき迷わず申し込み、申し込んだ後で自分が発表しなければならないことを知ったのです。

研究を初めて1年、最初はピペットの使い方も知らない状態でこんな自分の研究発表ができるのかと思いましたが、この1年間の軌跡をまとめることであらためていろいろな発見ができました。
また、普通の研究会や学会では発表がメインであり、しかもこんな未完成なデータでの提示なんてありませんが、今回は未完成なデータを提示することでいろいろなsuggestionを頂き、またディスカッションを主体とし普段は学会で聞けないようなmethodsや「コツ」を聞くことができたり、また異分野の先生との交流によって新しい見方からの発見があったりと、本当に有意義なセミナーでした。今現在セミナーで得た知識で自分の研究に磨きをかけているところです。ただ今回はマウスの研究が多くヒトの血液しか扱わなかった自分としては質問が浮かばない情けない状態でした。また、殆どが臨床の一線で働きながら基礎的な研究をなさっている情熱と気力を感じ、私はこれが一番の収穫だったでしょうか。
「臨床免疫学」という分野はとても重要で基礎と臨床との架け橋となる分野であると思います。今後もこのようなセミナーで新しいネットワークが生まれていくことを期待します。

さて、3日目午後のフリータイムはレンタカーで名護の方面をぶらりといたしました。地図もない目的もないドライブでしたが山ほどパイナップルと沖縄そばと食べまくり、名前もわからない白い砂浜で夕焼けを眺めとてもいい時間が過ごせました。来年以降も沖縄で気分も体もリフレッシュさせるセミナーが開催されたらよいですね。

ページの先頭へ戻る
慶應義塾大学 医学部 先端医科学研究所 細胞情報研究部門 谷口 智憲
同年代の先生方と切磋琢磨し、異なる視点を持てた

今回、臨床免疫学会主催の第一回midwinter seminarに参加させて頂きました。
私は、2年間の内科研修を終えた後に、大学院に入学し腫瘍免疫学の研究に携わっています。研究を始めて、まだ二年でしたが、腫瘍免疫の分野からもこのセミナーに参加者を、ということでお誘い頂き、参加させていただきました。セミナーは、各分野に対するチューターの先生のレビューの後、若手参加者が発表するというものでした。発表15分、質問15分と、普段の学会よりもかなり多めの質問時間が設けられていましたが、それでも足りないぐらいの活発な議論が、各発表に対して行われ、大変勉強になりました。自分と同じ年代の研究者が集まり、セミナーの後も交流を深められる環境、更に沖縄という最高のロケーションがあったからこそこのような、活発な議論が自然と生まれたのだと思います。

高名な先生の講演を聴くセミナーも確かに勉強になりますが、本midwinter seminarの醍醐味は、なんと言っても、このような議論に自然と参加でき、そして同年代の同じ志を持つ先生方と交流を深め、切磋琢磨する機会を与えられることではないでしょうか。私自身、腫瘍免疫の分野からの参加でしたので、膠原病を専門とされている多くの参加者の方々の発表で、異なった視点から免疫学を捉えることが出来、大変勉強になりました。そして、もちろん腫瘍免疫を専門とするほかの数少ない先生とも交流を深めることが出来ました。

私は、本セミナーの半年前に文部科学省の特定領域研究「がん」5領域・若手研究者ワークショップに参加したことがあります。そちらは、もう少し歴史があり、私が参加したのは第7回でしたが、若手研究者中心に活発に4日間議論する本セミナーと同様の形式が、大変人気で、必ずしも応募者が全員参加できるわけではないそうです。本midwinter seminarも今回のような形式で回を重ねて行けば、きっと、応募が殺到する人気のセミナーに発展していくと思います。
最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった、本セミナー主催者の皆様、チューターの先生方、若手研究者の先生方に、この場をお借りして御礼を申し上げます。

ページの先頭へ戻る
九州大学 眼科/生体防御医学研究所 免疫制御学 吉村 武
「交流」を一番の目的とする会

大学院半ばから、私はヒト内因性ぶどう膜炎のモデルと言われる実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)を用いて各分子の役割や抗体治療の可能性について研究しています。眼の中は免疫特権機構という独特の炎症抑制機構が備わっておりきれいで透明に保たれていますが、ぶどう膜炎ではそれがどこかで破綻し炎症によって濁ってしまいます。また網膜に出血をきたしたりなどにより、当然視力が落ちます。数は多くはありませんがとてもひどい病気です。

締め切りをだいぶん過ぎたころでしたが、眼科の上司よりMid-winter seminarの参加を誘って頂きました。真冬の沖縄? タイトルと場所のコントラストがまず印象的で、趣旨もよくわからなかったのですが参加することにしてしまいました。帰ってきてもう2ヶ月が過ぎましたが、いまでも記憶は鮮烈です。まったくの一人で参加、到着後夕方からオリエンテーション、その後フランス料理。先ずはtutorの先生を囲み4人で会話してその後広げていってください、という様な「交流」を一番の目的とする会だということに気づきました。その交流も、Tシャツを着た竹内先生のオリエンテーションからイメージされるように、肩肘張らないものをどうぞ!という雰囲気でした。

2日目からはYIの方たちの非常にレベルの高い活発な討論が繰り広げられ、最初から驚きました。各セクションでopening remarkのあとtutorの先生方は後ろの席で見守ってありました。きれいな沖縄の海が窓の外にみえて、日常から解き放たれて開放的に楽しく議論できた気がします。自由時間には5人でレンタカーを借りて海を眺めながら水族館(美ら海水族館)に向かい、イルカショーを見たのも本当に楽しい思い出です。
臨床免疫学会は免疫学を臨床応用しようという理念があることがよく理解できました。基礎で得られた知識を応用することによって患者さんの治療に還元したい、そのモチベーションを確認できた気がします。いろいろお世話になりありがとうございました。今後も眼の炎症について研究していきたいと思っています。どうか今後もご指導よろしくお願いします。先生方とまたお会いできることを、楽しみにしております。

ページの先頭へ戻る
東京大学 アレルギー・リウマチ内科 山口 優美
刺激となった、充実した発表・討論内容

このmidwinter seminarに参加することになった時、初めての沖縄なのでうきうき気分だったのですが、開催約1ヶ月前よりスライドの準備・修正に追われ、あっという間に沖縄への飛行機に乗っていたという感じでした。セッションでYIの皆さんの十分練られたすばらしいプレゼンテーションを聞き、大変刺激をうけました。また、この充実した発表・討論内容も事前にTutorの先生方の熱心なご指導により準備できたものだと改めて実感し、Tutorの先生方には大変感謝致します。普段自分が参加する学会では出会えないさまざまな分野からの内容も、臨床免疫学を共通として理解することができました。

3日目午後のフリータイムや親睦会では、同世代の先生方と水族館までドライブしたり、電車の話で盛り上がったりして、忙しい日常を忘れてしまうくらいとても楽しい一時でした。もう一回参加したいところですが、まあ後輩に譲ります。ではみなさんお元気で!!

ページの先頭へ戻る
理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター 自己免疫病戦略研究ユニット 沖山 奈緒子
臨床免疫学について確信が持てた有意義なセミナー

沖縄の広い空の下で、のっけから竹内先生の呼びかけに鼓舞された。チューターの先生方の熱意に背中を押された。
そして、基礎から臨床まで、全国で、同世代の多くの仲間が夢を持って研鑽を積んでいることを知り、圧倒され・焦り、でも、何よりも大きな勇気をもらった。

このような形態の会に参加したのは初めてであったが、準備段階からチューターの先生に指導を受け、会では自主的な討論が盛り上がり、様々な角度からの意見を受け、ジンベイザメやマンタにも会えたし! 本当に有意義なセミナーだったと思う。ぜひ、後輩に参加を勧めたい。
臨床免疫学というものについて、「これが私のやりたかったことなんだ」という確信が持てた、人生を変えた経験だった。

メンバーの皆さまへ。将来はコラボレーションして、チューターの先生方のように、医学の発展のための大きな仕事をする日を夢見て、お互い頑張りましょう!

ページの先頭へ戻る
京都大学大学院 内科学講座 臨床免疫学 免疫・膠原病内科 村上 孝作
納得して学び取ることができた

2007年の2月、沖縄にて開催された日本臨床免疫学会のMid-Winter Seminarに参加させていただきました。本格的に基礎的研究を始めてまだ1年程度しか経っていなかった自分にとって、セミナーの内容についていけるかどうか、非常に不安でしたが、結果的には今後の研究に対する意欲を非常に高めてくれるものとなりました。

セミナーの構成としては、それぞれのテーマごとに、まずチューターの先生方が15分程度でオリエンテーションを行い、続いて約3名のYI(Young Investigator)がそれぞれ15分の発表と15分の討論を行うといったものでした。個人的には、チューターの先生方のオリエンテーションが、その後に続く各発表を学ぶ際に、理解を助けるものになりました。更に、討論時間の際には、できるだけYI同士でお互いに質問し合う様な環境を整備していただきました。通常の総会や研究会では、我々のように未熟だと質問するのにどうしても気後れしてしまうのですが、今回のセミナーでは、自分でも不思議に思うくらい多くの質問(・・・ほとんど的外れな質問ばかりだったと思いますが・・・)が頭に浮かび、十分に納得して各発表を学び取ることができたように思います。

セミナー参加者人数、日程、開催時期についても、非常に満足のいくものでした。今回のYIとしての参加者は25名で、3日間のセミナーでありましたから、ほぼ全員と友誼を築くことができました。また、2月はあまり目立った学術集会が開催されない時期であるため、参加しやすい状況になっていたと思います。

次回からのセミナーに個人的な意見としては、今回はYIとはいえ既に学位を取得している方々が多く、自分が想像していたよりも、参加者の基礎研究における素養がやや高すぎた印象があります。このセミナーの位置づけを考えると、例えば大学院生あるいはまだ基礎研究に従事していない人たちに限定しても良いのかもしれないと思いました。また、日本全国から参加者が集まったとはいえ、やや関東に偏在していたと思います。(中国・四国地方の参加者はゼロでした。)

ページの先頭へ戻る
北海道大学大学院 医学研究科 病態内科学講座・第二内科 奥 健志
研究初心者でも参加することに大きな意義

今回、第1回臨床免疫学会Mid Winter Seminar に参加させていただきました。10年目前後の若手研究者を沖縄に集めて第1線の研究者の先生方や学会の著名な先生方とdiscussionをしたり指導をいただける、という画期的な企画です。
研究を始めて日が浅く手習い程度の実験しかしていなかった私が参加していいのかな、と思いましたが折角のチャンスですし、数日後に結婚式を控えていた私は独身最後の旅行も兼ねて、と少し軽い気持ちで参加しました。

案の定、全日程を通して発表内容やdiscussionで理解できたのは半分くらいでしょうか。しかし、そんな私でも3日間、免疫に関わる様々な研究の発表とdiscussionを集中的に聴き続けることで研究の手法や色々な分野のtopicとなっていることが分かりましたし、自分の研究に関してアイディアもわいてきました。参加者が25人と少人数で3,4人に1人ずつtutorと呼ばれる指導をしていただける先生がつきますが、tutorの先生や他の参加者とdiscussionをする機会は発表の時だけでなく、食事や飲み会の時にもありますし、そういったリラックスした時の方がちょっとした実験のコツや先生方の貴重な経験について聴くことができたりします。こうやって、3日間で得られた知識や経験は大変に大きく急に自分が成長した気がしましたが、私が新米研究者で周りから吸収することだらけだったからでしょう、一気に視野が広がった気がしました。

また、全国の若手研究者や研究の第一線におられる先生方、免疫学会をリードし支えておられる先生方、こういった先生方と知り合いになったり、話をすることができたというのはscienceの知識や研究者としての心構えを得たという以外でも大変に素晴らしいことでした。ホテルのある恩納村は海がきれいで自然が一杯の場所でしたが、少し離れた町まで連日夜の沖縄を満喫しにくり出しましたし、ホテルで夜遅くまで酒を飲みながら話し込んだり、3日目の午後はフリータイムでしたが、那覇まで足を伸ばしたり、4日目に帰る間際も産業医大の澤向先生と寄り道する、など沖縄も十分に楽しみました。この4日間で多くの先生方と知り合えたのは私にとって大きな財産になりました。

こうしてセミナーが終わって、那覇空港に着いた時に感じた充実感はなんだか懐かしい・・・というか久しぶりにこれだけの充実感を感じました。
来年、多くの皆さんが2回目のMWSに参加されるでしょう。羨ましいかぎりです。会の趣旨からは数年以上研究をされた先生が参加されるべきと思いますが、私のような研究初心者でも参加することに大きな意義があると思います。大学院の1,2年目の先生でも、この会に参加することとそれに向けて準備をすることを一つの目標にして研究をする、というのもいいのではないでしょうか。

最後に、本当に素晴らしい体験をさせていただきこの場をお借りしまして、本企画にたずさわれた関係者の皆様に心から感謝いたします。ありがとうございました。

ページの先頭へ戻る
筑波大学 膠原病リウマチアレルギー内科/信州大学 第三内科 石井 亘
他分野の同世代の先生方との意見交換が大きな刺激に

私は、今まで日本臨床免疫学会には入会していませんでしたが、沖縄にて日本臨床免疫学会のMidwinter Seminar (MWS)が開催されることを知り、日本臨床免疫学会に入会しMWSに参加させていただきました。

医者になってからの10年間、臨床医をしてきたため、臨床研究が中心で基礎的な研究はしておらず、他のYI (Young Investigator)の先生方の発表を聞いていて、私が発表するには場違いのセミナーだったかなとも感じましたが、今まで参加してきた学会では出会うことのない他分野の同世代の先生方と意見交換が出来て、大変刺激になりましたし勉強になり、最終的には参加して良かったと思っています。
MWSの内容そのものについては、専門分野の違う人たちの集まりでしたが、tutorの先生方からそのセッションの導入部分の説明が最初にあったお陰で、YIの先生方の発表が理解しやすくて良かったと思います。また、基本的にYI同士で討論する形式であったことも、気軽に意見交換が出来て良かったと思います。

沖縄で開催されたことも、日常診療を忘れてセミナーに集中することができ、フリータイムには沖縄の青空の下で、気持ちよくゴルフができて良かったと思います。
是非、今後も後輩の先生方が積極的にMWSに参加して、沖縄で継続して開催されることを願っております。

ページの先頭へ戻る
札幌医科大学 第一内科 山本 元久
臨床医として、研究者としてのターニングポイント

現在、私の臨床研究のテーマは、Mikulicz病や自己免疫性膵炎をはじめとした、全身性IgG4関連疾患(IgG4-related plasmacytic diseases)です。このテーマを従事するきっかけは、私の研修医時代(もう10年前です)、膠原病グループ研修中、最初の担当の患者様の確定診断がなかなかつかず、上司からのアドバイスを得て、この疾患名(Mikulicz病)にぶちあたりました。それ以来、この病態に興味をもち、私の上司にあたる先生方(高橋講師、篠村教授、今井学長)のご協力を頂きながら、研究を継続して参りました。個人的には、このテーマで学位も取得できました。しかし病態の実態がみえず、でも目の前に患者様が現れる・・・。私自身もこの状況に納得ができずに、毎日の臨床業務の合間を縫って、細々と研究をすすめておりました。こんな時に、この日本臨床免疫学会のMidwinter Seminar参加の話を上司より頂きました。沖縄で開催されるということもあって、真っ先に申し込みました。

今年は記録的な暖冬とはいえ、2月は北海道はまだ白銀の世界、旅立つときの千歳の気温もマイナス15度近くでした。しかし数時間で飛行機の窓から、続くエメラルドグリーンの海原がみえました。沖縄はとても温かい風に赤い花びらが揺れていました。そんな楽園の地で、セミナーが開催されました。

非常に充実した時間でした。発表者の研究内容の斬新さ、参加者の討論の内容のレベルに驚き、また同時に自分自身を冷静に見つめ直してみる良い機会となりました。日常業務に疲れた脳を南国の優しい波音で癒し、また考える・・・。これを繰り返しながら、今後に向けたアイディアを得ることができました。さまざまな領域の先生方との繋がりも築くことができました。

今回のセミナー参加は、私にとって、臨床免疫に携わる臨床医、研究者人生の1つのターニングポイントになったことは過言ではありません。これをさらに有意義なものに発展できるように、努めていきたいと考えています。

北海道にもようやく梅が咲き、桜のつぼみが膨らみかけています(4月下旬)。沖縄に比べると3か月遅れの春です。あの沖縄の風を思い出しています。

ページの先頭へ戻る
京都大学大学院 医学研究科 発達小児学 斎藤 潤
闊達な雰囲気のなか、積極的に発言することが出来ました

たまたま上司に声をかけられ、滑り込みで応募に間に合い、参加することが出来ました。元来引っ込み思案な私でしたが、非常に闊達な雰囲気で、積極的に発言することが出来ました。

セッションの流れは、最初にチューターの先生方によりセッションの概略が示され、それから3人のyoung investigator (YI)がそれぞれ15分プレゼンテーションし、15分ディスカッションするというものでした。普段の学会や院内のカンファでは、偉い先生方が質問するばかりで、聞きたいことがあっても時間がないということが多く、つまらないな~と思っていましたが、今回は満足できました。 質問しようと思って聞くのと、そうでないのとはプレゼンの理解にも雲泥の差が出ますので、出来る限り質問の時間は長く取っていただけると、盛り上がると思われます。夜も酒を飲みながら盛り上がりました。同室の某先生は深夜まで帰ってきませんでしたが・・。

参加賞のUSBメモリにはちゃんとMWSのロゴがプリントされていたり、全体の集合写真もきれいに引き伸ばされて送られてくるなど、細かいところまで心意気を感じさせる配慮をされており、敬服いたしました。

できれば毎年参加したいと思わせる、素晴らしいセミナーでした。今後も臨床免疫学会に貢献できるよう、臨床・研究に励みたいと思います。

最後になりましたが、臨床免疫学会のさらなる発展を祈念しております。

ページの先頭へ戻る
金沢大学大学院 血管新生・結合組織代謝学 濱口 儒人
日常の診療では接点がない方と知り合えたことが最大の収穫

MWSに参加して得た成果には、大きく下記の2つがある。

  1. 人との繋がりの構築
    多くのYIが指摘しているように、日常の診療を通してでは知り合う可能性のほとんどない人達と接点ができたことは、今回のセミナーの最大の収穫であった。様々な視点を取り入れるべく視野を広げようと思っても自ずと限界がある。実際、仕事の大部分は所属部署(私の場合は皮膚科医局)で行われていて、拡がりがあっても多くの場合、同じ大学内に留まる。今回のセミナーでは、臨床免疫という共通の窓を通して普段接することない同年代の研究者と接する機会を持てた。これは、将来の共同研究という形で発展する可能性もあるし、お互いを刺激し合う格好の機会であったともいえる。また、一口に研究・実験といっても、基礎から臨床、人とマウスなど、そのアプローチの仕方は多様である。自分のいる環境だけでは発展性にも限りがあり、異分野や異なる手法を用いた研究は自分の研究にもプラスになる。従って、新たな研究のヒントを得るという点についても、今回のセミナーは大いに役に立った。
  2. プレゼンテーション技術と中身のあるDiscussion
    15分間という限られた時間内でのプレゼンテーションについて、どのようにしたら異なる分野の聴衆にも理解をしてもらえるか、ということを考えるのによい機会になった。見やすく理解しやすいスライド、簡潔かつ十分な説明、話し方、など、プレゼンテーションに必要な技術的側面についてもヒントを与えてくれた。素晴らしい研究であってもプレゼンテーションが未熟であればその意義は充分に伝わらない。良い発表が多く、次回からの参加者にとっても参考になること請け合いである。また、同年代である程度の経験のある参加者が多かったためか、Discussionも充実していた。積極的にDiscussionに参加することの重要性も再認識できた。

追記:沖縄での開催も良かったと思います。初めての沖縄、楽しみました。今後も当セミナーが継続されることを願っています。もし何らかの形でセミナーに貢献できるのであれば、可能な限り力になれればと考えています。

ページの先頭へ戻る
東京医科歯科大学 膠原病・リウマチ内科 中里 款
同世代の方たちと親交を深め、今後の貴重な財産に

バージョンA

経験の少ない私のような研究者にとって、第一線で臨床免疫研究をされている多くの先生方と親しく言葉を交わしフランクな質問ができたMWSは非常に有益なものとなりました。その成果を順序だてて挙げるならば、大きく三つの項目に分けられるのではないかと思います。

第一にTutorの先生に発表の基礎から優れたスライドを作るためのブラッシュアップに到るまで、綿密かつわかりやすいご指導をいただけたこと。実のところ私は研究室でも自他共に認める発表下手であり、そのことに強いコンプレックスを抱いていたのですが、MWSでこれまでとは異なるアプローチのプレゼンテーションを身に付けることで、自信を持って発表する事ができるようになりました。

次に非常に密度の高いディスカッションができたこと。これは本当に知的好奇心が深く満たされる経験でしたが、臨床免疫という共通のバックグラウンドがあり、その上でクローズドな雰囲気があったからこそ起こり得た状況なのではないかと思います。これにより「質問に対処するためだけの回答」ではなく、質問者と回答者が同時によりよい仮説を求めるための質疑応答というものを体感する事ができました。

そして最後に、同じ目的に向かって進む同世代の方たちと親交を深める事ができたことは、何にも代え難い価値ある財産となりました。またこの過程で、研究に没頭するとつい軽視しがちなキャリアパスについてさまざまな角度からのケーススタディを認識することができ、自分の人生に対する大きな指針となったように思います。
MWSは来年もまた継続して行われるそうですが、次は今回の経験を反映してさらにすばらしいセミナーとなることでしょう。今後も臨床免疫研究に従事されている多くの先生方がMWSに参加されることを確信し、ここに筆を置かせて頂きます。

バージョンB

重く灰色に沈む雲が拡がっていた。
骨のように白い珊瑚のカケラが不吉な静寂を湛え横たわる砂浜。
ついに泣き出した空、降りしきる雨粒。
人の体温めいた生暖かい風が濡れたシャツの内側に入り込み、
ぞわりと背筋を走るその不快さに攀じるが如く身を振う。
ぞわりと背筋を走るその不快さに攀じるが如く身を振う。

----ああ。
今日も泳げないよ、ジョニー(ヨークシャーテリア♂ 三歳)。

そのようなわけでリゾート地で海を目の前にしながら「おあずけ」された犬のように身悶えしつつ早朝から深夜まで綿密に組まれたタイトなスケジュールのもと最先端の臨床免疫研究の成果を活発な質疑応答とともに体験できる素晴らしきセミナーツアーであるところのMWSに諸先生方のご厚情により参加させていただいた次第でございます。

当初は案内を読んで
「朝~昼:シンポジウム」
「昼~夕方:レクリエーション」
「夕方~夜:セッションごとに集まり、意見交換したりプレゼン指導」
などという幻想じみた日程を想定していたのですが、蓋を開けてみれば
「朝~夕方:シンポジウム」
「夕方~夜:食事会」
となっておりまして、沖縄的レクリエーションとは比較的無縁な日々でありました。
(※食事に含まれる沖縄名物要素が大変僅少であった事も沖縄分の不足に影響したように思われます)

しかし闇あればまた光あり、病みあればまた医学あり。深山に篭もる僧侶が外界との隔絶により高度な集中を得て悟りの境地に達するように、MWSに集った二十余名の若手研究者(YI)たちは雑念に満ちた都市の喧騒あるいは日常の診療業務から強制的に隔離される過程で改めて自らの裡に臨床免疫研究の意義なるものを見出したのではないでしょうか。

実際、レベルの高いプレゼンテーションに触発されたYIの先生方、そしてTutorの先生方までもが自らの発表寸前までスライドに改稿を加えていらっしゃったという事実は、百万言にも増して「おもしろい」シンポジウムだったことを裏付けています。その様はひどく微笑ましくはありつつも、ふと手元に目をやればやっぱり修正中の自分のスライドがあるという状況でして、悲喜こもごもというか同じ穴のムジーナというべきなのか、楽しくも苦しい数日間でありました。

また最終日前日夜には深夜の脱顆粒イベントなどいろいろと羽目を外された先生方も多かったようで、総合的にはアップダウンあるいはメリハリに富んだ、予想の斜め上方向に大成功したセミナーであると断言して差し支えありません。

ただ、最後に今後参加される方々への教訓をひとつ。『最終日発表組はまるで遊べません』

ページの先頭へ戻る
熊本大学大学院 医学薬学研究部 免疫識別学分野 平田 真哉
沖縄の海や風、未知のアイデアや仲間がくれる良い「刺激」

今回、第1回のMidwinter Seminar (MWS)に参加させて頂きました。第1回ということもあり、本当のところ“不安”もあったのですが、臨床免疫に興味があったことと、「開催地は沖縄」が、とても“魅力的”で、申し込みを決めました!事実、2月でもかなり温かく、夜、窓を開けて寝るほどであったのは、熊本から参加した私でもとても驚かされました。

MWSでは、セッションごとに、3~4人の参加者が自分の研究内容などを発表して質疑応答を行いますが、参加者が25人と比較的少人数であるため、大変話しやすく、活発な意見の交換が行われました。また、色々な分野の研究が発表されますので、違った視点からもアドバイスを頂けますし、また、自分の知らない「世界」をたくさん垣間見ることが出来て、新たな研究のアイデアにもつながったように思います。何より、他の学会や勉強会では知り合えることのない多分野を横断する同世代の皆さんと知り合えたことが最も良かったように思います。会期中は、他の参加者との相部屋ですが、大人の“修学旅行”?みたく、夜遅くまでお酒を飲んだり、話をしたり、楽しかったです。私は、相部屋の先生とは、職場が近く?だったこともあり、MWSの終了後、お会いしたりも出来ました。個室の希望も出来るそうですが、大人になって相部屋はなかなかありませんから、是非、楽しまれることをオススメします。

各セッションはチューターの先生により、プレゼンテーションのサポートや司会進行して下さいます。分野の異なる研究をつなぐイントロダクションをして頂けますので、より理解を深めることができました。このため、自分の専門外の分野でも、それほど不安なく参加できるように思います。お互い、専門分野でないので、かえって質問しやすかったりもします。

今後も継続されるそうですので、「臨床を目指した免疫学」、あるいは、「臨床から出発した免疫学」の研究を志しておられる多くの若手研究者の皆様が、良い「刺激」を受けられることを心からオススメします。沖縄の青い海と心地よい風、未知のアイデアと仲間、普段の忙しい生活から、(大手を振って?)ちょっとだけ抜け出すのも、悪くないものです。

ページの先頭へ戻る