免疫疾患横断セミナーシリーズ

免疫疾患横断セミナーシリーズ

プログラム

日本臨床免疫学会が、会員以外の方を対象に企画したセミナーです。
学会員の方でも参加できます。


1. Human Immunology Networking Seminar
~ヒト免疫を横断的に理解しよう:治療法、データベース活用~
2021年5月29日(土) 13:00-16:00


リウマチ、皮膚、消化器の専門家が、各領域の免疫疾患を横断的に対比しつつわかりやすく解説するとともに、免疫研究に有用な最新のデータベースの活用法を紹介します。
基礎・臨床にかかわらず、免疫疾患に関心のある幅広い分野の研究者・臨床医にとって、ネットワーキングに最適なセミナーです。


 開催形態
web開催
 参加費
無料



事前登録制:5月20日(木)17:00 締切


会期1週間前頃に、視聴用のURLをご連絡いたします。
3日前になっても連絡がなければ、事務局にお問合せください。
お問合せ先:jsci@icongroup.co.jp

 総合司会:
田中良哉(一般社団法人 日本臨床免疫学会 理事長、産業医科大学医学部 第1内科学)
 司 会 :
藤尾圭志(東京大学大学院医学系研究科内科学 アレルギー・リウマチ学)
松本 功(筑波大学医学部医療系内科 膠原病・リウマチ・アレルギー)


Part 1 さまざまな疾患領域の分子標的療法からヒト免疫を横断的に理解する

-TNF阻害療法とJAK阻害療法はなぜ効くのか-

1) リウマチ膠原病領域

 松本 功(筑波大学医学部医療系内科 膠原病・リウマチ・アレルギー)

2) 皮膚科領域

 藤本 学(大阪大学大学院医学系研究科 皮膚科学)

3) 消化器内科領域

 久松理一(杏林大学医学部 消化器内科学)


Part 2 ヒト免疫研究における公開ヒト免疫データの活用

1)リンパ球機能ゲノムデータベースImmuNexUT

 藤尾圭志(東京大学大学院医学系研究科内科学 アレルギー・リウマチ学)

2)ヒト遺伝子変異データベース

 今井耕輔(東京医科歯科大学 茨城県小児・周産期地域医療学)


Part 3 パネルディスカッション:ヒト免疫の領域横断的な理解をどう進めるか



講師紹介


松本 功

松本 功

筑波大学医学部医療系内科
膠原病・リウマチ・アレルギー

関節リウマチ(RA)治療において、本邦では2003年にTNF阻害薬が、2013年にJAK阻害薬が認可され、現在5種類ずつの製剤が臨床現場で使用可能である。これらの分子標的療法によりRAの治療体系は大きく変革・改善したが、有効面には個人差があり、臨床現場での疑問点も未だに存在する。分子標的治療薬は今後も多くの自己免疫・炎症性疾患に適応が広がり、病態制御に多大な貢献していくものと考えられるが、病因に関して未知の部分が多い自己免疫疾患において、治療病態から考える横断的な思考は大変重要である。本セミナーを介して、臓器を超えた臨床免疫学の幅広さと奥深さ、そして病態制御の未来像を討議したい。

藤本 学

藤本 学

大阪大学大学院医学系研究科
皮膚科学

皮膚科は、蕁麻疹、接触皮膚炎、薬疹のような免疫応答のプロトタイプのような疾患から、アトピー性皮膚炎や乾癬のような多因子が関与するやや複雑な免疫疾患、膠原病のような全身性自己免疫疾患まで、数多くの免疫疾患が存在し、その変化をリアルタイムで目で見ることができる免疫学の教科書のような診療科です。分子標的薬の進歩により、皮膚科の診療も大きく変容するとともに、皮膚科疾患の分子メカニズムの理解も急激な進歩を遂げています。
私たちの研究室には、多数のPIが所属し、このような多様な皮膚疾患を、皮膚という免疫の舞台に出演する免疫細胞、非免疫細胞、細菌叢など様々なテーマから研究しています。

久松 理一

久松 理一

杏林大学医学部
消化器内科学

私は消化器内科医の中でも炎症性腸疾患を専門としています。 研修医の頃は良い治療法もなく、したがって人気のなかった分野でしたが、今は分子標的治療が数多く開発され患者さんのQOLも見違えるほど改善されたと思います。新薬の治験を経験してみて、領域横断的な知識は炎症性腸疾患の理解にとても大事だと実感しています。単にその薬が効いたか効かなかったかだけなら大規模試験の結果だけ知っていれば足りるのですが、なぜ効かなかったのか、なぜ効果が減弱するのか、リウマチ疾患と炎症性腸疾患の違いは何なんだ、などたくさんの疑問が湧いてくると共に臨床免疫学はとても奥が深いなと感じています。考えることは内科医の基本ですし、とても楽しいものです。ふだんは肉体労働派消化器内科医である自分もこのセミナー受講を楽しみにしています。

藤尾 圭志

藤尾 圭志

東京大学大学院
医学系研究科内科学
アレルギー・リウマチ学

臨床免疫学は領域横断的にヒトの免疫を考えるのが特徴ですが、今回免疫介在性疾患の416例由来のヒト末梢血免疫担当細胞の、遺伝子発現と遺伝子多型をリンクさせたデータベースを作りました。ある遺伝子名で検索すると、28種類の免疫担当細胞サブセットでの発現量、10種類の免疫介在性疾患での発現量の変化、その遺伝子の発現量に作用する遺伝子多型が分かります。このようなデータベースを活用した遺伝子や細胞の研究について、ディスカッションできればと思います。

今井 耕輔

今井 耕輔

東京医科歯科大学
茨城県小児・周産期地域医療学

ヒトの単一遺伝子異常による免疫異常症はその数400以上となっており、全国で少なくとも1万例近く存在すると考えられる。それぞれの患者さん、同胞、先祖にいたる、場合によっては数10年におよぶ病歴、臨床症状、検査所見、採取細胞を使ったin vitroの解析、さらには、iPS細胞からの分化、遺伝子修復による機能回復などを介した理解を通して、1遺伝子がヒトの免疫系に与える影響を見ることができるのは、短時間の観察を通したマウス免疫学にはない強みである。また、結局のところマウスとヒトは違う生物であり、病気の本態を知り、患者を治癒やよりよいQOLにつなげる治療を考える上では、ヒトでの解析が不可欠である。そして、そのためにも遺伝子変異と表現型を記載したデータベースの存在は必須である。本講演では、その一端をご紹介する。

2. Human Immunology Priming Seminar
~様々な領域の分子標的療法からヒト免疫を理解しよう~
2021年7月24日(土)13:00-16:00


さまざまな領域の免疫疾患のエキスパートが、臨床免疫の視点で俯瞰しつつ入門レベルから解説します。

まだ専門分野を決めていない研修医・専攻医も歓迎です。


 開催形態
web開催
 参加費
無料



事前登録制:7月15日(木)17:00 締切


会期1週間前頃に、視聴用のURLをご連絡いたします。
3日前になっても連絡がなければ、事務局にお問合せください。
お問合せ先:jsci@icongroup.co.jp

 司 会 :
藤尾圭志(東京大学大学院医学系研究科内科学 アレルギー・リウマチ学)
松本 功(筑波大学医学部医療系内科 膠原病・リウマチ・アレルギー)


1) リウマチ膠原病領域

 中山田真吾(産業医科大学医学部 第1内科学)

2) 皮膚科領域

 吉崎 歩(東京大学大学院医学系研究科 皮膚科学)

3) 消化器内科領域

 中本伸宏(慶応義塾大学医学部 消化器内科学)

4) 脳神経領域

 佐藤和貴郎(国立精神・神経研究センター 神経研究所)

5) アレルギー領域

 中島裕史(千葉大学大学院医学研究院 アレルギー・臨床免疫学)

6) 癌領域

 塚原智英(札幌医科大学医学部 病理学第一)



講師紹介


中山田 真吾

中山田 真吾

産業医科大学医学部
第1内科学

私たちは臨床現場で生じる疑問や課題の克服を目指した臨床研究、および、ヒト疾患を対象とした病態解明と治療応用を目指した基礎研究を行っています。例えば、全身性エリテマトーデス (SLE)では動物実験で期待された分子標的薬の臨床効果が限定的であり、これは疾患のheterogeneity (異質性)に依存するのではないかと推測しました。これを検証するために、患者末梢血の免疫フェノタイピング解析を行ったところ、SLEには3つの免疫学的亜集団が存在し、既存治療に抵抗性である集団が同定されました。このような免疫亜集団を形成する免疫異常の分子メカニズムを解明することは難病克服への糸口となります。臨床講座の特性を活かしたベッドサイドとベンチの双方向のトランスレーション研究は臨床免疫学の醍醐味だと考えられます。

吉崎 歩

吉崎 歩

東京大学大学院医学系研究科
皮膚科学

皮膚科領域で診療する疾患には、免疫が深く関与しているものが数多く存在しています。臨床免疫学者として皮膚疾患を取り扱う上においての醍醐味の一つは、抗サイトカイン抗体製剤をはじめとする生物学的製剤の駆使です。臨床免疫学の進歩によって、多種のサイトカインが乾癬やアトピー性皮膚炎などの代表的な皮膚疾患の病態形成に重要であることが明らかとされてきました。その後も研究は精力的に進められ、開発された抗サイトカイン抗体製剤は多くの患者さんへ、大きな光を与えています。このように臨床免疫学は疾患に立ち向かうための大きな武器だと感じています!多くの皆様と共に学べることを楽しみにしています。

中本 伸宏

中本 伸宏

慶応義塾大学医学部
消化器内科学

私が臨床免疫の楽しさを知ったのは留学先のペンシルバニア大学で従事したC型肝炎ウイルス(HCV)に対する免疫応答の仕事です。肝移植を行った同一患者の末梢血と肝臓内のHCV特異的CD8 T細胞の比較解析を行い、肝臓中のCD8 T細胞はPD-1やCTLA-4などの免疫チェックポイント分子を高発現しより深い機能不全に陥っていることを見出しました。肝臓と末梢血が鏡像関係にあることを肌で感じ、臨床免疫の面白さに取りつかれ現在に至ります。現在は臓器相関の観点から特に腸内細菌や胆汁酸に着目し、肝臓特有の免疫応答、免疫寛容現象を解明し、原発性硬化性胆管炎など有効な治療法が少ない免疫難病への治療に臨床応用することを目指しています。

佐藤 和貴郎

佐藤 和貴郎

国立精神・神経研究センター
神経研究所

私の専門は神経免疫学。とくに多発性硬化症の臨床と研究に携わってきました。ニッチな領域と思われがちですが、欧米ではメジャーな疾患で研究も活発で、我が国でも「欧米化」により炎症性腸疾患と同じように急カーブで患者数が増えています。最近、その謎の一旦が腸内細菌にあることがわかってきました。この疾患の「再発」、つまり炎症性脱髄は獲得免疫の言葉で説明でき免疫治療が奏功する一方で、「進行性」の症状は謎が多く難治性です。しかし脳内炎症をキーワードに徐々に病態解明が進んできています。新しい知見や治療が、すぐに目の前の患者さんの病態の考察につながるという日進月歩の領域です。

中島 裕史

中島 裕史

千葉大学大学院医学研究院
アレルギー・臨床免疫学

分子生物学及び基礎免疫学の進歩により、アレルギー疾患、自己免疫疾患などの難治性免疫疾患の分子レベルでの病態解明が進みました。しかし、未だ難治性免疫疾患患者の多くは、ステロイドや免疫抑制薬による非特異的な免疫抑制治療をうけています。難治性免疫疾患に対する特異的、かつ副作用の少ない治療法を開発するためには、病態のさらなる解明とそれに基づくヒト免疫研究が必須です。我々の研究室は臨床免疫学研究のさらなる発展により明るい未来が来ると信じ、日々努力を続けています。

塚原 智英

塚原 智英

札幌医科大学医学部
病理学第一

ヒトがん免疫の存在は長らく疑問視されていた.そんながん免疫の存在は1990年代にヒトがん抗原のクローニングによって主にメラノーマで証明され,他のがんからも多くの抗原が同定された.これらの知見から,がんワクチンや抗原特異的リンパ球の輸注療法が開発され,免疫チェックポイント阻害剤が一世を風靡するに至った.しかし新型コロナウイルスワクチン開発につながるとは思ってもみなかった.免疫チェックポイント阻害剤が効果を示す腫瘍には (i)高い免疫原性を持つ変異抗原が発現している,(ii)T細胞が腫瘍内にたくさん浸潤しているという特徴があるが,まだわからないことも多い.本講演ではがんに対するT細胞応答について一連の知見を概説する.



共催:一般社団法人 日本臨床免疫学会、アッヴィ合同会社




【ポスターはこちらからダウンロードできます】