認定医制度 information

研修認定セミナー開催予定

アニュアルエビデンスレビュー2024(AER2024春)大阪


ハイブリッドセミナー(会場参加およびweb参加)

 会 期
2024年3月9日(土)12:00-16:50
 会 場
AP大阪駅前 B2F APホールⅠ(ハイブリッド開催)
大阪府大阪市北区梅田1-12-12 東京建物梅田ビル
https://www.tc-forum.co.jp/ap-osakaekimae/access/
 参加費
¥5,000(お申込みいただいた後、参加費をご請求いたします。)


当セミナーは、医療従事者・製薬会社社員・医療系大学生に限定いたしております。
AERに参加されますと、学会員は、免疫療法認定医資格の研修認定単位3単位を取得できます。
ただし、「AER2024春」の内容は、第51回総会会期中(2023/10/7)に実施した「AER2023秋」と同じ内容のため、両方参加されても6単位にはなりませんので、ご注意ください。
会場参加の方は会場で参加票にお名前を記入いただき回収いたします。web参加の方は、視聴ログが残ります。
会期終了後2週間程度で、「会員マイページ」に取得単位が登録されます。会員マイページから「会員情報を変更する」ボタンで、単位が確認できます。


参加申込締切:2024年2月29日(木)17:00




プログラム


12:00 – 12:50 ランチョンセミナー 共催:中外製薬株式会社



 座 長
松本 功(筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科学)

 テーマ
NMOSDの病因におけるIL-6抑制の重要性
 講 師
眞崎 勝久(九州大学大学院医学研究院神経内科学、九州大学病院脳神経内科)
 抄 録
 視神経脊髄炎スペクトラム障害(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder; NMOSD)は、視神経ならびに脊髄での炎症を特長としアクアポリン4(AQP4)抗体が関与する自己免疫性神経疾患である。AQP4抗体は主に末梢の形質芽細胞からの産生が考えられているが、この細胞生存に炎症性サイトカインの一つであるinterleukin-6(IL-6)が重要な役割を果たしている。 2020年、IL-6をターゲットとしたリサイクリング抗体であるSatralizumabによる分子標的療法が、臨床応用出来るようになった。IL-6はNMOSDにおいて、T細胞活性化やB細胞から形質芽細胞への分化、AQP4抗体産生促進、血液脳関門破綻、補体活性化など、複数機序で病態に関わることが知られている。これまで2つのランダム化比較試験が行われ、AQP4抗体陽性NMOSD患者に対するIL-6抑制の有効性ならびに安全性が確認されてきた。更にわが国では、実臨床において全患者を登録している全例調査結果も定期的に報告され、蓄積されたエビデンスも整いつつある。今回のセミナーでは、NMOSDにおけるIL-6シグナル抑制について基礎及び臨床の観点からオーバービューしたい。

 テーマ
関節リウマチにおけるIL-6の役割とprecision medicine
 講 師
加藤 将(北海道大学大学院医学系研究院 免疫・代謝内科学教室)
 抄 録
 近年、多くの生物学的製剤、JAK阻害薬が関節リウマチの治療薬として使用可能となった一方、その使い分けについてはエビデンスが不足している。関節リウマチ診療ガイドラインでは主に安全性の観点からJAK阻害薬よりも生物学的製剤を優先させることが推奨されているものの、実臨床においては、有効性の観点からの薬剤選択も求められる。近年、自己抗体、shared epitope、病期、間質性肺疾患の合併などによる各薬剤への反応の違い、JAK阻害薬から別のJAK阻害薬への切り替えに関する興味深いデータが発表されている。IL-6は関節リウマチの病態において中心的な役割を担い、滑膜においては線維芽細胞、B細胞が主な産生源となり、炎症の誘導のみならず破骨細胞分化などを介し関節破壊に寄与する可能性が示唆されている。IL-6阻害療法の特徴の1つとしてメトトレキサート併用の必要性が低いことが挙げられる。近年、高齢化に伴い、慢性腎臓病やリンパ増殖性疾患への懸念からメトトレキサートの使用を避ける症例が増加しており、それに伴いIL-6阻害療法をはじめとした生物学的製剤の単剤療法も選択肢の一つとなり得る。高齢発症例ではTNF阻害薬と抗IL-6受容体モノクローナル抗体の継続率の違いが報告されている。本セミナーではこうした最近のエビデンスを基に関節リウマチにおけるIL-6の役割およびprecision medicineについて議論する。


13:00 – 15:50 アニュアルエビデンスレビュー: 1-4
(免疫療法認定医制度 研修認定単位3単位付与)



 座 長
松本 功(筑波大学医学部医学系 膠原病・リウマチ・アレルギー内科)
渥美 達也(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)

 13:00 - 13:40
Annual Evidence Review 1
 テーマ
関節炎のエビデンスレビュー
 講 師
平田 信太郎(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)
 抄 録
 免疫学的アプローチによる病態解明によって、関節リウマチや脊椎関節炎といった多発性関節炎疾患に対する分子標的治療は発展を遂げた。しかし、治療抵抗性の難治例は未だ少なからず存在し、その克服のために新たなブレイクスルーが期待される。2020年から世界を席巻したSARS-CoV-2のパンデミックの間も医学は着実に進歩し、単一の細胞レベルで全mRNA発現を網羅的に探索するシングルセルRNA発現解析(scRNA-seq)の確立により、あらゆる分野で進歩は加速している。関節疾患領域では、関節リウマチ滑膜のさまざまな細胞ごとで異なる振る舞いが明らかとなり、さらに細胞・分子レベルにとどまらず、bDMARD-IRを対象に行われたRituximab vs. Tocilizumabのランダム化比較試験(RCT)に滑膜組織scRNA-seqを取り入れた、新しい形のトランスレーショナル研究”R4RA”が報告された。一方、臨床的トピックスでは、本邦で約10年ぶりの新規TNF阻害薬として、ナノボディ構造を持つオゾラリズマブが関節リウマチに対し適応取得し、またウパダシチニブがJAK阻害薬として初めて強直性脊椎炎・体軸性脊椎関節炎に対し適応追加されたことなどが挙げられる。本レビューでは、関節リウマチと脊椎関節炎を中心に、関節炎に関して近年発表された注目すべきエビデンスを取り上げて解説する。

 13:40 - 14:20
Annual Evidence Review 2
 テーマ
膠原病に伴う肺病変(間質性肺疾患、肺高血圧症)
 講 師
桑名 正隆(日本医科大学 アレルギー膠原病内科)
 抄 録
 膠原病患者の生命予後は大幅に改善したが、間質性肺疾患(ILD)と肺高血圧症(PH)は難治性病態として残されている。これら肺病変は炎症性筋疾患、全身性強皮症、混合性結合組織病などの死因の上位を占める。関連学会が共同で策定した「肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版)」、「膠原病に伴う間質性肺疾患診断・治療指針2020」が診療で広く活用されているが、エキスパートオピニオンによる記載が中心となっている。最近5年間でILDや肺動脈性肺高血圧症症(PAH)を伴う膠原病患者の対象に組み入れた臨床試験が多数実施され、エビデンスが蓄積されつつある。ただし、膠原病に伴うILDやPHは臨床経過や病態が多様なため、コホートエンリッチメントの手法により特定のサブセットが組み入れられ、皮膚や骨格筋など他の病変を含めたエンドポイントが設定されることが多い。また、膠原病を基礎に持たないILDやPH症例集団を組み入れた臨床試験も多い。その場合、膠原病集団のサブグループ解析を事後に実施し、全体集団との一貫性が調べられる。これら診療試験プロトコールの特殊性から、得られた結果の直接的な比較はできず、診療にそのまま応用することも困難である。本レビューでは最近実施された膠原病患者を含むILD、PHの臨床試験の成績を紹介するとともに、その解釈と診療への応用について述べたい。

 14:30 - 15:10
Annual Evidence Review 3
 テーマ
多発性硬化症と視神経脊髄炎の病態と新たな治療戦略
 講 師
千原 典夫(神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科学)
 抄 録
 中枢神経系における代表的な自己免疫疾患である多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)や視神経脊髄炎(neuromyelitis optica: NMO)は日本での罹患者数が増加し、半世紀前の1000人程度に比して現在では25000人を超える患者が指定難病の認定を受けている。近年、これらの病態研究と診断治療が大きく進歩し、数々の疾患修飾薬が登場した。MSの自然経過では約半数の患者が、症状の再発寛解と並行して、徐々に神経障害の悪化する二次性進行型を呈することが知られ、潜行する障害進行を予防するために早期から有効性の高い治療法が用いられるようになった。2023年時点で、国内で7種8個の薬剤が保険適応である。これまで、MSは中枢神経系へ移行するT細胞を中心とした炎症性脱髄が病態の主体と考えられてきたが、B細胞を標的とする疾患修飾薬の高い効果が確認された。一方で、NMOの中でアストロサイトを標的としたアクアポリン4抗体を有する疾患群が同定され、その病態の違いによってMSから分離された。自己抗原が見つかったことで病態研究が進み、これまでに4つの分子標的抗体薬が保険適応となっている。NMOは一回の再発が重篤で失明や車椅子生活を余儀なくされる場合があるが、病勢には個人差があり、一部の薬剤は非常に高額であることから医療経済的な観点を含めて個別化医療の必要性が叫ばれている。本講演では最近明らかになってきたMSとNMOの病態と変わりつつある治療戦略について概説する。

 15:10 - 15:50
Annual Evidence Review 4
 テーマ
免疫チェックポイント阻害剤の免疫関連有害事象 up-to-date
 講 師
鳥越 俊彦(札幌医科大学医学部 病理学第一講座)
 抄 録
 現在、国内で承認されている免疫チェックポイント阻害剤(ICI:Immune-checkpoint inhibitor)は抗PD-1抗体3種類、抗PD-L1抗体3種類、抗CTLA-4抗体2種類にのぼり、それぞれの薬剤に特徴がある。そのため、使用するICIの種類や組み合わせによって、発現し得る免疫関連有害事象(irAE:Immune-related adverse event)にも違いが生じる。本講演では、各ICIの特性と作用機序、irAEの発生機序と病態の特徴、irAEのバイオマーカーに関して文献をレビューし、最新情報を提供する。


16:00 – 16:50 イブニングセミナー 共催:日本イーライリリー株式会社



 座 長
渥美 達也(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学講座)

 テーマ
円形脱毛症とアトピー性皮膚炎の病態に対するJAK阻害薬の関わり
-安全性を含めて-
 講 師
伊藤 泰介(浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科学講座 皮膚科)
 抄 録
2024年2月現在、JAK阻害薬が保険適用となる皮膚科疾患は、アトピー性皮膚炎(AD)、円形脱毛症(AA)、関節症性乾癬である。ADの病態は、「タイプ2炎症」、「瘙痒」、「バリア機能障害」の三位が一体となって悪化傾向を導く。この中でいずれにも関与しているものがIL-4やIL-13といったタイプ2炎症性サイトカインであり、これらサイトカインの是正によって瘙痒の著しい減弱、保湿因子の増加が認められる。AD患者はとくに瘙痒に悩んでおり、生活に大きな影響を与えている。AAは、なんらかのきっかけにより成長期毛包の免疫寛容が破綻し、毛包組織の周囲に集簇したNKG2D陽性の細胞傷害性T細胞(CTL)が自己抗原として認識することから始まる。これによってAA病変部にはCTLからのIFN-γ、毛包上皮からのIL-15のサイトカインループが形成され病態が慢性化していく。このサイトカインループを断ち切ることで難治性のAAの改善が期待される。AAは頭部の50%以上が脱毛するなど日常生活に著しい影響を与え、精神的に不安定になる患者も少なくない。経済的損失も研究されており、重症例には有効な治療の介入が求められる。JAK阻害薬は従来の治療に抵抗性を示してきたAD/AA症例に有効性を示すことが期待されており、適切で安全な使用によって多くの患者の日常生活に新たな可能性を開くことのできる薬剤である。

 テーマ
リウマチ医が診るRA病態とJAK阻害薬の有効性・安全性
 講 師
松本 功(筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科学)
 抄 録
 リウマチ医の行う関節リウマチ(RA)診療では、寛解の達成と維持を目標にし、アウトカムとして関節破壊など構造的変化の抑止を目指している。メトトレキサートをアンカードラッグとし、生物学的製剤、JAK阻害薬など多くの有効な薬剤が適応追加され、RAの治療成績は大きく向上した。しかしながら炎症だけでなく、こわばりや疼痛など客観的にはとらえにくい自覚症状の改善が不十分なことも実臨床では遭遇する。また、高齢発症及び高齢RAが増え使用薬剤の制限が増え、肺病変を含めた多彩な臓器合併症が存することが多く、治療による寛解誘導・維持の妨げになっている。JAK阻害薬はサイトカイン受容体下流のキナーゼ活性を阻害する低分子化合物で、ターゲットも多肢にわたる。また経口薬であるメリットは大きく、コンプライアンスも良好と考えられる。一方、肝あるいは腎代謝であることや、細胞内シグナル伝達を広く阻害する故、安全性に関する懸念は生物学的製剤より少ないとは言えない。
本セミナーではリウマチ医のRA診療において、バリシチニブを中心にJAK阻害薬の有効性・安全性プロファイルのトピックをまとめ、実臨床を踏まえたJAK阻害薬の特性にも触れながら考察を行う。