Midwinter Seminar 2022 参加者の声
第15回目の開催となったMidwinter Seminar。
事前選考を潜り抜けた13名の参加者により、3日間に渡って活発な討議が繰り広げられました。
Young Investigators 13名
秋山 光浩(慶応義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科)
MWS2022を終えて
「本当に参加して良かった。」
MWSを終えて、私の率直な気持ちである。これまで多くの勉強会や発表会に参加してきたが、こんなに心が充実した経験は初めてかもしれない。「MWSロス」とは噂では聞いていたが、いままさにその状態であると感じる。沖縄という「非日常」、大好きな「科学」、それを心の底から楽しむ「仲間」、臨床免疫学という共通の軸をもった異分野の研究者の集まりによる「多様性」。これら全てのコラボレーションが無限の可能性を生み出す。海外留学以来の「視野が広がる」経験であり、「刺激」を受けた場であった。MWSに少しでも興味をもった方や迷っている方は、必ず参加して欲しい。体験しなければMWSの本当の凄さは実感できない。絶対に後悔しない。おススメである。
このようなMWSに参加する機会を与えてくださった金子祐子教授、また常日頃臨床、研究のご指導をいただいている多くの先生方、同期、後輩、そして支えてくれている家族に心より感謝申し上げます。MWSのさらなる発展を心から願いますとともに、微力ながら私で貢献できることがあれば貢献していければと思います。最後に、委員長の亀田秀人先生、田中良哉先生、シニアコメンテーターの先生方、懇切丁寧なご指導をいただいたチューターの松本佳則先生、チューターヘッドの藤枝雄一郎先生、普段からお世話になっている三上洋平先生を始め、MWSの運営に携わった全ての方々、共に学んだYoung Investigatorsの方々に、心より篤く御礼申し上げます。
天野 永一朗(東京医科歯科大学大学院脳神経病態学/国立精神・神経医療研究センター免疫研究部)
ミッドウィンターセミナー2022に参加して
(参加できるなら…)もう一度参加したい!いやいや、毎年参加したい!!そう思わせるような刺激的な毎日を、沖縄という最高の環境で得られる贅沢を味わって参りました。
私が大学院に入学したと同時にコロナ禍が始まり現地参加の学会が無くなってしまったため、「若い研究者と熱い議論をできる場がある」とMWSをご紹介頂き応募した時には「いったいどのような会になるのかな?」と想像もできませんでした。他施設の研究者との対面でのディスカッションや人との交流が乏しくなっていった日々の中、研究を進めていく中で多くの壁や問題点に直面した際にそれをどうやって克服するか、悩むことが多い毎日でした。
MWSは沖縄での発表が全てではなく、事前のチューターとのディスカッション、同じチームのYIとのディスカッションから始まります。自分の発表や研究内容を見つめ直し、問題点を整理し、そしてどのようにブラッシュアップしていくのか、そのプロセスがかけがえのない経験になります。沖縄に到着して同世代のYI達のレベルの高い発表を聞き始めると、自分の研究に対するモチベーションはどんどん高まります。オンラインの学会では最後まで集中して聞くことはまず不可能ですが、全ての発表での熱い質疑応答に参加していく中で集中力は研ぎ澄まされていきます。そして発表が終わってお酒を飲みながらお互いの実験の悩みを共有すると「みんなも同じような悩みを抱えながら、試行錯誤を試しているんだな…」と心の支えや連帯感も生まれます。大学院入学以降、「研究とは本当に楽しいものなのかな?」と悲観的になることも少なくなかったのですが、今回のMWSでの経験を通して研究に対する前向きな気持ちが生まれました。独りで悩まない、成功も失敗も包み隠さず共有する、仲間を作る、そういったことの大切さを実感した日々でもありました。
沖縄から東京に戻って2-3日は「ああ、楽しく刺激的だった3日間が終わってしまった…」という「MWSロス」状態を経験しましたが、その後は「もっとたくさん実験をしたい!こんなことを知りたい!」というエネルギーが湧いてきますし、色々なアイディアも自然と湧いてきます。これはMWSの魔法かもしれません。
最後に、今回ご指導いただいたチューターの藤木先生をはじめ、このような機会を用意いただいた運営委員の先生方、事務局や旅行会社、企業の方々、全ての関係者の方々に深く御礼申し上げます。
池田 峻弥(大阪大学大学院医学研究科 保健学専攻)
MWS2022に参加して
ミッドウィンターから季節も進み、とても心地の良い季節に沖縄の地で開催していただけたことを大変感謝しております。会場に着くまでは、参加されている先生方と仲良くなれるか少し不安もありましたが、今はMWSロスになっているくらい充実した3日間でした。
私の発表は初日でした。久々の学外での発表ということで緊張もありましたが、YIの先生方からたくさん質問をしていただけてTUやSCの先生からコメントもしていただけてすごく嬉しかったです。質疑応答の時間が十分にあり、これまで私が経験してきた発表の中で一番沢山質問していただけて、大変勉強になりました。
2日目と3日目は各セッションで1回ずつは質問をすることを目標に臨みました。他の先生方の熱いディスカッションに圧倒され、なかなか質問することができないセッションもありましたが、その中で質問できた時は達成感とディスカッションすることの楽しさを感じることができました。他の先生のディスカッションを聞いていると、自分ももっと良い質問をできるように研究室に戻ってさらにトレーニングを積みたいと思いました。
発表の合間の休憩時間に外に出るときれいな景色が広がっており、美味しいご飯やお酒を飲みながらYIやTU、SCの先生方とお話できることもこのMWSの良いところだと思いました。分野は少し違っていても研究という共通点があるので、すぐに打ち解けることができました。研究を頑張られている先生方のお話はどれも心に響き、研究を続けていく上で大事な考え方を学ぶこともできました。
今回MWSにお誘いいただいた藤木文博先生、チューターとして親身にご指導いただいた三上洋平先生、また開催にあたってご準備くださった多くの先生方、関係者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。お世話になった先生方や仲良くしていただいた先生方とまたお会いできることを目標にまた大学で研究を頑張ろうと思えました。ありがとうございました。
市川 将隆(慶応義塾大学医学部 内科学教室(消化器))
沖縄で得られた熱いdiscussionと深い絆
今回のMWSにあたり新鮮な体験を多くさせて頂きました。
まずはセミナーの前にチューター制度が存在し、しかも指導して頂ける先生が自身と異なる機関で分野も異なるということに衝撃を受けました。私は佐藤先生にご指導頂きましたが、先入観なく適切なアドバイスを頂いて初めて聞く人にもわかるようなプレゼン構成を教えて頂けたと思います。それだけでも大学内のカンファレンスでは得られない事が多かったため非常に有意義でした。一方で正直申し上げますと後ろ向きな部分もありました。コロナ渦になってからzoomなど発達している中で、わざわざ高い交通費と時間を費やして沖縄で行う理由がわからなかったためです。
しかしそのような考えは実際にMWSに参加して打ち砕かれました。ほぼ同世代のYIの先生方の発表内容のレベルが非常に高く、特にその後の質疑応答も行列ができて時間が足りなくなることには衝撃を受けました。その後のチューター、SCの先生方からの質疑応答およびコメントは、本質をついているいるぶん厳しい中で、純粋に研究内容をさらに質の高いもの、実臨床に活かされるものにしたい考えが伺えました。
私自身の内容についても、本当に免疫および研究に長けている先生方から様々な視点から、素晴らしい質問やアドバイスを頂けたと思います。どうしても消化器という分野や目の前の実験(マウスモデル)の中で視野が狭くなっていたことを痛感しました。今後全身臓器の観点や、実際の患者症例との対比は頭に入れておこうと思いました。多くの質問、議論が活発化するようにプレゼン構成や連日の発表練習に付き合って頂いた佐藤先生には本当に感謝しております。
そして実際にYIの先生達とは、初対面ながら本当によく話したと思います。研究の行き詰っているところ、大学での境遇、論文どうするか、将来の考えている方向性(臨床・研究のバランス)など色んなことを話し合いました。今回参加した先生方でグループLINEを作って頂いたので、近況報告をしたりお互いに励まし合う仲間同士になれたらと思っています。コロナが落ち着いたらもっと飲み語り合いたいです笑。
このような貴重な体験は前述のzoom開催ではまず不可能だったと思います。開会式で委員長の亀田先生より「このセミナーでは寝る人はいなくて活発な議論が繰り広げられる、ちょっとした休憩時間に綺麗な海を眺めるだけで全然違う。」というお言葉の意味が、日に日にわかるようになりました。コロナ渦になって忘れていた感覚を思い出すことができたと思います。
コロナ感染の関係で当初の2月の予定が延期になって、イレギュラーのことが多く運営サイドのSC・チューター・運営事務局の方々は本当に大変だったと思いますが、沖縄での開催を実現して頂けたことに本当に感謝しております。また唯一の消化器内科である私に仲良く接して頂いたYIの先生達にも本当に感謝しております。改めてありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。
市村 裕輝(筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻 皮膚科)
MWS2022に参加して
MWSに参加させていただきました。
私の上司から、また研究室の諸先輩方の勧めもあり、応募させていただきました。このセミナーでは、いつもと異なる視点から研究を見直すことができたことが私にとって大きな成果になったものと思っています。セミナー前にTutorの先生の指導・同じグループのYIの方とのディスカッションを経て、発表をブラッシュアップする過程で、いつもの指導とは異なる視点からいくつも指摘をいただき、発表の仕方・考え方に新しい視点を取り込めたと思います。
普段は私の上司の指導やラボ内でのディスカッションを経て発表を作り上げているために、もちろん綿密な指導・指摘を受けてはおりますが、固まった視点になってしまい、やはり気づけないことが出てきているということが実感できました。実際のセミナーでは免疫学の色々な分野の話を聞くことができ、内容的に、まずは非常に勉強になりました。COVID19感染症の問題もあり、オンラインでの学会が多くなっていることも影響し、自分とのかかわりの少ない分野についての話を聞く機会が皆無に等しい状況となっていたこともあり、非常に有意義な機会となりました。
しっかりと集中して、また皆様がわかりやすくプレゼンをしてくださっていたこともあり、腫瘍免疫や消化管免疫など、普段の学会では拝聴する時間を確保できないところの話を伺うことができ、大変勉強になりました。また質疑の時間が長くとられていることから、じっくりと振り返り考えながら質問をすることができ、普段の学会などでは訊けないようなこと(←基礎的過ぎて聞けないことも含みますが)を質問できる機会であったこともためになったと思っています。また、質疑においても“そういう視点から研究を考えることもできるんだ”という新たな視点を見られ、今後研究立案をしていくうえで取り入れるべき考え方を見られたことも大きな収穫でした。私の発表に関しても様々な質問・ご意見をいただき、これからの研究を進めるうえで検討すべき課題を明確化できたものと思います。
今回は例年に比べ短い期間の開催とのことですが、大変でしたが、非常に有意義な3日間を過ごすことができました。最後になりますが、ご指導いただきましたTutorの岩田先生、大切なサジェスチョンをくださいました亀田先生をはじめ、このような貴重な機会を用意いただきました諸先生方・事務局の皆様に厚く御礼申し上げます。
狩野 皓平(北海道大学 免疫代謝内科学教室)
春開催のMidwinter seminar
新型コロナウイルス感染症により、開催が中止されたMWS2021。自分にとってMWSに参加する機会は失われたものと考えていましたが、運良くMWS2022への参加のお誘いをいただき、この貴重な会を経験することができました。
MWS2022の開催も一筋縄にはいかず、元々予定されていた2月開催は感染症蔓延のため延期となってしまいましたが、運営の方々のご尽力により、GWの沖縄で開催されることになりました。北海道出身の自分にとって、4月末の沖縄はもはや真夏で、空港についた瞬間から完全な非日常空間が始まりました。正直参加するまでは、「なんでGWにわざわざ沖縄まで」と思っていましたが、実際に参加してみてその考えは間違っていたことを実感しています。多くの先生がおっしゃっていた、「沖縄でなければMWSは開催できない」ということはまさに真実だと思います。
率直に言って私は初対面の方と話すのは得意ではなく、学会・講演会などで質問をするのは非常に苦手です。実際に沖縄に来るまではやや憂鬱な気持ちもありましたが、那覇空港に降り立った瞬間の開放的な雰囲気が、そんな不安な気持ちを吹き飛ばしてくれました。「せっかくの機会だし、失敗しても良いからやってみよう」という気持ちで初日の発表で質問をしてみると、その後も積極的に議論に参加できるようになりました。1年遅れの参加となったため、既に大学院は卒業しており、1年間の地方病院勤務で基礎研究からは少し離れていましたが、7月からアメリカに研究留学を控えている自分にとって、今回のMWSは気持ちを研究志向に切り替える非常によい機会にもなりました。多くのYIの方の発表と、それに対するYIやtutor、SCの方々のコメントを聞いているだけでも多くの学びがありましたが、自分の発表にも多くのご意見を頂き、自分の研究に足りないものを認識するとともに、研究に対する肯定的なコメントも頂き、学びとともに自信も得ることができました。
日程の変更に伴い4日間から3日間に短縮され、また感染症による制限もあったため、例年通りの交流はできなかったと思いますが、それでも臨床免疫に関わる多くの領域の先生方と出会い、議論できたことは間違いなく今後の糧になると確信しています。
このような貴重な機会を提供していただいた臨床免疫学会の方々、tutorやSCの先生方、スポンサーの方々、そして共に参加したYIの方々に深く感謝申し上げます。特にtutorを担当してくださった岩田先生、同じグループのYIの市村さんには大変お世話になりました。いつかまたMWSに戻ってこられる日を夢見て、日々頑張っていきたいと思います。
清水 優(筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科)
ワッター自慢のMWS 2022
この度、MWS 2022に参加させて頂きました。omicronの流行により、開催がされるか危ぶまれ、また実際に参加して良いのか不安に思うこともありました。しかし、結論から申し上げると参加して大正解だったと思います。
まず、現地で参加するまでにチューターの先生や同じグループのYoung Investigatorの先生とのディスカッションを通じて、自分の研究のプレゼンテーションや臨床応用という観点から磨く事が出来ました。
沖縄での開催に関連して、私は学部が琉球大学ですので、久しぶりに沖縄を再訪できる喜びがある一方で、沖縄と臨床免疫の相性はいかなるものかと考えておりましたが、会に参加する中で、沖縄開催の利点を実感することができました。それは、普段と異なる場所にいる事で、逆説的にも講演に集中でき、積極的な討論が可能になったことです。「なんくるないさー」というではありませんが、自分の中で生じた疑問を積極的に声にすることができました。
また、そのような活発な討論の中で、自分の研究にも様々な指摘を頂戴し、新しい気付きや刺激を得ることが出来ました。さらに、一緒に参加した大変に熱いYoung Investigatorの方々とも、沖縄の雰囲気の中で打ち解ける事ができ、大切な絆を作ることが出来ました。本当に「ワッター自慢のMWS 2022」でした。(「ワッター」は「私たちの」という意味の沖縄方言です)最後になりますが、このような素晴らしい機会を与えて下さった先生方、運営委員会の皆様に心から感謝申し上げます。
髙田 和秀(日本大学医学部 病態病理学系微生物学分野)
Wonderful to know you!
「リムジンバスは予約で満席となりました。」那覇空港に着き、会場のホテルへ移動しようとした矢先、乗ろうとしていた移動手段がなくなりました。その後、幸運にも何とかホテルへたどり着くことが出来ました。コロナ禍による昨年の開催中止、今年度も開催の延期や、直前まで沖縄の感染状況がどう変化するか予想困難、期間も例年の4日間ではなく3日間と異例尽くしの中、どうなるのか多少の不安を抱えながら、私のMWS初日がスタートしました。
今回は本来開催予定であった2月に、zoomでプレセミナーが開催されました。そこである程度自己紹介やコミュニケーションが取れていたため、到着後すぐにホテルのロビーで声を掛け合い、休憩時間や夜のディスカッションタイム等ですぐに打ち解けられました。参加者もYIは13人と今までで一番少なかったかも知れませんが、その分フリータイムでは全員で行動するなど、逆に親睦は深めやすかったと思います。研究や仕事の話だけでなく、お互いのプライベートの話でも盛り上がれる機会は他ではあまり無く、お互いの肩書を抜きにして、本当に仲良くなれたと思います。
各シニアコメンテーターやチューターの先生方のご発表はいずれも圧巻で、他のYIの発表内容も大変レベルが高く、沢山の刺激を受けることが出来ました。実臨床につながる研究とはどういったものかというレベルの話題から、具体的なタンパク質レベルの内容まで、様々な観点からのディスカッションが、三日間連続して続きます。自分の発表内容は他のYIと比べればまだまだでしたが、それでも様々な質問をYIから受け、チューターの先生方からもとても有意義なコメントを頂けました。発表の時だけではなく、その後も休憩時間などに個別にお声がけ頂き、MWS後も総評として各チューターの先生がそれぞれの発表について話し合った内容をメールでフィードバックして下さいました。MWS発表前から各チューターの先生が丁寧に指導して下さいましたし、全体を通じて普段指導を受けることのない先生方からのご指摘やアドバイスは大変貴重なものでした。
光栄なことに、積極的にディスカッションに参加したYIに送られるシーサー賞の一人に選んでいただくことが出来ました。でもこれは他のYIの積極的な議論に感作されたからであり、今回参加したYI全員がシーサー賞だと私は思っています。MWSで生まれ変わった姿をまたお目にかけられるよう、今後とも精進してまいります。困難な状況下でも開催にご尽力くださいました委員長の亀田先生をはじめ全ての皆様、拙い内容を的確にご指導くださいましたチューターの大西先生、そしてMWSを通じて強く結ばれたYI全員、沖縄で得られた全てのご縁に感謝いたします。Wonderful to know you!
轟 泰幸(産業医科大学医学部 第1内科学講座)
「研究エネルギー」を得る最適な方法
このたびはMWS 2022に参加する機会を与えて頂き誠にありがとうございました。小生は、病的B細胞がどのようにエネルギーを得て成長するか、をテーマに研究を続けています。3日間培養するとB細胞はみるみる大きくなり足まで出し始めます。一方、自身の事となると研究等の進捗が芳しくない時には、真夜中、培養プレートを前に閉塞感や無力感に苛まれる事もあります。いわゆるエネルギー枯渇のサインです。
今回、このエネルギー枯渇状態を容易に克服する方法が分かりました。MWSに参加する事です。「沖縄」という最適な培地で、同年代のYoung Investigatorsのギラギラとした想い、Tutorの先生方のサクセスストーリーの裏話、Senior Commentator(SC)の先生方の変わらぬ存在感・・・一つ一つが全身の受容体を刺激し始めます。3日間昼夜問わず刺激を受け、大きなエネルギーを得ると空港から直接実験室に戻りたくなります。自分に不足している点も明確になりますが、それもエネルギーに変換されます。本当です。
改めまして、このような見通しがつきにくい状況下において、沖縄現地開催に向けて多大なるご尽力頂いたSCおよびTutorの諸先生方、また発表方法から詰めの実験に関して事前準備からアドバイス下さった藤木先生、事務局の方々、皆様に深く感謝申し上げます。
野田 聖二(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学)
憧れのMWS2022を終えて
MWSの存在についてこれまで参加された医局の先生方の話を聞き、MWSに参加することに憧れを持っていました。しかし大学院へ入学し、今のプロジェクトで研究を開始した頃には参加できるとも思っておらず、実際に演題が採択された時には参加者の先生方からの質疑に耐えうる発表となるか不安でした。
しかし、発表に向けての準備において、チューターである佐藤先生が真摯に発表内容についてコメントをいただき、その不安が徐々に払拭されてゆきました。「いかに初めて自分の発表を聞く人にも伝わるようにわかりやすくするか」、「研究の成果を臨床応用につなげてゆくためには何が必要か」、この2点を最も指摘いただき、日頃手を動かす中でいかに見過ごしてきたかを痛感しました。ちょうど発表スライドの修正作業中、科研費の申請も並行して行うこととなりましたが、この2点は科研費申請の記載においても重要なことであり、行うタイミングが一致したことも何かの縁かと思いました。
そして、いざ実際MWS2022が開始した後、3日間続けて他分野の先生方の研究発表を聞き、その内容や今後の研究課題について、質疑をすることは今まで十分に質疑を行ってこなかった私にとって、想像以上に大変なことでした。開式の辞にて亀田先生からいただいた、「沖縄でないといけない」とのコメントの意味を時間の経過とともに実感致しました。他の先生方がこぞって質疑をする姿勢に刺激を受け、自分の中で質問への閾値が徐々に下がってゆくのがわかりました。発表された実験系の詳細、結果の解釈、同じ疾患でも患者毎に表現系が異なることを踏まえての今後の研究課題など、各セッションにおいて質問したい内容が浮かんできたことが自分にとっても意外な体験でした。私の質問につき発表の後も含めて丁寧に答えていただいた先生方にはこの場を借りて感謝を申し上げます。また、発表を受けての他の先生方の質問内容や最後のチューターやCSの先生方からのコメント内容を聞くことで、その着眼点を学ぶことができたことも貴重な経験でした。MWS2022を終えた後も、質疑を続けることがこのイベントに参加したことの証だと思うため、日頃の抄読会や研究室の会合といったできるところから実践してゆきたいと存じます。
社会情勢もあり実際に開催されるか不安な中でも、実験結果とともに、初めて自分で絵や図を考えて書き、発表することに腐心した数ヶ月でしたが、何とか発表を終えることができ安堵すると同時に、MWS2022に参加でき、準備を含めた3日間を過ごさせていただいたことを少し誇りに思います。本番では想定以上の質疑や研究の本質を突くようなコメントをいただけたことに感謝しています。今後の研究を進めるに当たって、最後にSCの先生方からいただいた総括のように、先行研究を改めて見つめ直し、進めて参りたいと思います。
久しぶりの大人数でのdiscussionやそれ以外の日常的な会話の場面において、日頃自分よりも臨床や研究において一層の努力をされているYIの先生方のことを知ることができたことも大きな収穫でした。オンラインではなく直接話を聞く機会を得られることが、これほど貴重に感じられるのは、この2年の社会背景のおかげだろうとも東京に戻ってから思うようになりました。他のYIの先生方の研究がさらに進むことをこれからも応援したいと思うとともに、恥ずかしくないような成果を今後出してゆけたらと思っています。
最後になりましたが、チューター、CSの先生方や協賛いただいた企業の方々、事務局の方々にはイレギュラーな日程となりながらも開催をいただきましたことを、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
林 哲哉(大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学)
MWSの感想と、MWSへの参加を検討されている若手研究者の皆さまへ
この度、Midwinter Seminar (MWS) 2022にYoung Investigator (YI)として参加させていただきました感想をご報告いたします。私は、臨床では造血細胞移植を含む血液疾患の診療、研究では腸内微生物叢解析を中心とした腸管免疫学の研究に主に取り組んでおり、今回、その活動内容を報告させていただきました。事前ミーティングにおける、チューターの藤枝雄一郎先生によるスライド作成やプレゼンテーションのご指導は、大袈裟でなく、今後私が学術活動を行う上での礎、一生の財産となるような、貴重なものでした。当初の自身の発表に含まれていた、曖昧な表現、意図や意味の伝わりにくい図やその配置、目的の不明瞭な説明等が洗練されていき、解釈を聞き手に委ねない、相手に情報を伝えるためのプレゼンテーションを作り上げることができました。
MWSの本番においても、他のYIの方々が担当チューターの先生方と準備されてきたご発表は、専門外の私にとっても理解しやすく、刺激的な内容のものばかりでした。そして、よいプレゼンテーションは聴衆に疑問を呼び起こし、活発な討議に繋がるのだということを、皆さまのご発表を聞くにつけ、実感いたしました。有難いことに、自身の発表に対しても、YI、チューター、シニアコメンテーターの先生方より、多くのご質問やご指摘をいただきました。いただいたコメントの中には、私が目を背けてしまっていた、自身の研究内容に関する疑問や課題を、端的に言語化し提示して下さる内容のものも多く含まれていました。今回のセミナーに参加して初めて気付きましたが、私は無意識の内に、現在の自身の研究に半ば満足し、半ば疲れてしまっていて、研究を深めて新しいことを明らかにしたいという気持ちを失いかけていたようでした。今回のセミナー期間中に、参加者の皆さまとお互いの研究内容に関する議論を重ねることで、もっと多くのことを探求し、病気に苦しむ方々の力になるような発見をしたいという、研究活動に臨む上での大切な気持ちを新たにすることができたと感じています。
この感想文を読まれている方々の中には、周囲に参加経験者がいないためにMWSのことをよく知らない、わからない、という方もいらっしゃるかと存じますが、MWSは、対面交流やdiscussionによる若手研究者の教育を目的とした、他では得難い経験をできる貴重な場です。そして、様々な分野や組織の人間が集うことで、より会の価値が高まると思います。参加可能な条件やタイミング等が揃われている方は、(先達がいない、という方こそ)是非とも応募・参加されることをお勧めします。
最後になりましたが、この度、難しい時期にも関わらず、MWS 2022を開催しご指導下さりました、田中良哉理事長、亀田秀人運営委員長をはじめとします日本臨床免疫学会の先生方、事務局、旅行代理店、協賛企業の皆さま、そしてMWSの期間中たくさん議論やお話にお付き合いいただきました同世代のYIの皆さまに、深謝申し上げます。
水橋 覚(熊本大学大学院生命科学研究部 皮膚科病態治療再建学講座)
何かが変わるミッドウインターセミナー
ある日のこと、福島教授「人生が変わる。MWSが無かったら、教授にならなかったかもしれない。水橋くんにはぜひ行ってほしい」福島教授はMWS2008年の卒業生でもある。人生が変わる...か。このときは正直、半信半疑だった。
参加が決まり、チューターの三上先生、そして同じグループの仲間となる池田さんと3人でZoomミーティングが始まった。「いかにして伝えるか」今まで形ばかりにとらわれていて、伝えることに意識がなかったと思う。他分野の先生方にも分かるように、そして、説得力のあるプレゼンをするために、その道筋を三上先生に示して頂いた。その中で、今まで気づけていなかった考察や次の研究への展開も見えてきた。
当日。那覇空港から思ったより遠い万座ビーチに辿り着き、その景色の良さ、リゾート感、南国の風、を感じた。旅行に来たんだっけ、と錯覚した。 受付を済まし資料をもらうと、発表はまさかの一番手。先生方から頂いた質問やコメントが研究を次に進める宝の山だった。
その後の他の先生方の発表。日頃見ない研究の数々。質疑応答・総合討論での活発な議論、鋭いコメント。どれもが、今後の研究に役立つ考え方、方法論の山だった。実際、こんなに密度の濃いセミナーは途中でパンクしてしまうところだが、休憩で一歩外に出ると、ビーチで遊ぶ子どもたちの姿。 あれ、旅行に来たんだっけ、楽しい。また、錯覚した。セミナーとビーチを交互に繰り返すことで、ビーチが楽しいのかセミナーが楽しいのか分からないという構造になっていた。(実際、どちらも楽しかった)
MWSを終えて、まだ人生が変わったかどうか判断はできないが、明らかに苦手意識を持っていた「免疫」が楽しい、面白いに変わっていた。
...最後に、このセミナーに携わった、すべての先生方、皆様に深く感謝申し上げます。ありがとうございました!
山田 紗依子(東京大学医学部付属病院 アレルギーリウマチ内科)
MWSで得たもの
まずは、数々の温かいご配慮のもと、コロナ禍でのMWS2022をご開催くださいました、委員長の亀田先生、Senior Commentatorの田中先生、中島先生、事務局の皆様、Tutorの先生方、そしてMWSへの参加をお声がけくださった藤尾先生に心より御礼申し上げます。
2月から4月へのMWS延期というirregularな状況となりましたが、プラス思考で明るい、沖縄の太陽のようなTutorの藤枝先生のもと、当日までにグループ内でのブラッシュアップの時間をたっぷりいただくことができました。結果的に、この準備段階での長時間の議論は本番とはまた異なる意義深いものとなりました。この時間に藤枝先生からいただいたquestionの1つが、次につながる研究の新たなテーマの1つとしてすでに走り始めています。
MWS本番も大変刺激的で、自身の研究に多くのsuggestionをいただきました。他のYIの方々のpresentationは非常に洗練されて、知らない分野でも内容を理解しやすいものばかりでした。問題はその後の質疑で、思い浮かんだ疑問を、曖昧にせず、的確に、そして気取らずに言葉にするのは、たやすいことではありませんでした。Tutorの先生方が、背景を説明しつつ質問なさったり、的外れかもしれないと思って自分が言葉にできなかった質問をされているのを聞いて悔しい思いをしたりしているうちに、質疑の時間のたびに多くを学び、少しずつ強くなれたかなと思います。SCの先生方のなさるご質問は、膨大な知識に基づいていて俯瞰的で、圧倒されました。ですが、懇親の時間に、SCやTutorの先生方とフランクにお話しさせていただけたことで、先生方のような知識の深さ・広さに近づくためのkeyを少し感じとり、肩の力が徐々に抜けていきました。
YIの先生方は同世代で、分野は違っても似た環境の方が多く、4月の沖縄の広い空のもと、一気に打ち解けることができました。これまで、良い臨床医を目指しつつ貪欲に研究を進めるのは、喜びも大きい反面、時間的制約などから両立に悩みもありましたが、セミナー中先生方と多くを語らい、気持ちを共有させていただいたことで、今後のモチベーションがぐっと向上しました。 今回のセミナーでの深い交流は通常の学会ではなかなか得がたいもので、かけがえのない3日間になりました。このつながりが一生の宝となるように、研究や臨床に励みつつ、出会った先生方との関係をずっと大事にしていきたいです。そして、ぜひ次は、Return CommentatorやTutorとしてこのセミナーに戻らせていただければと思います。