Midwinter Seminar 2023 参加者の声
第17回目の開催となったMidwinter Seminar。
事前選考を潜り抜けた17名の参加者により、3日間に渡って活発な討議が繰り広げられました。
- 石垣 星
- 石徳 理訓
- 上月 友寛
- 大庭 聖也
- オズデミル エズギ
- 要石 就斗
- 神田 友梨恵
- 久我 大雅
- 髙橋 悠
- 高野 智圭
- 髙山 明日香
- 照井 仁
- 西山 泰平
- 蜷川 慶太
- 野間 康輔
- 宮岡 大知
- 山村 修司
Young Investigators 17名
石垣 星(慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科)
こんなに密度の濃い研究会はあるのか。
「本当に参加して良かった。」
4日間にわたる沖縄でのMWSに参加させて頂き、誠にありがとうございました。本セミナーは、当教室でも錚々たる先輩方が年々参加されており、講演の内容以外にも全国に知り合いが作れたり等、有意義だったと聞いておりました。自分が参加できるチャンスが回ってくるとお知らせいただいたときから、当日まで大変楽しみにしておりました。
様々な診療科で最前線の研究をしている同年代研究者が集まり、最新の研究・情報を、この距離で聴講できたのはとても有意義でした。気付いたことは多いです。
いつも同じ研究室・メンバーで進めていると、気付かないで「そうだよね」と流れていってしまっていたこと。目的・方法・結果・考察これらも「そうだよね」で流れていってしまっていたこと。自分の中での普通と思っている情報は、他の人には普通でなく、わかるように伝えることの重要性も学びました。
多くの人が同時に集中して聞き、多くの人が質問を行う。質疑応答を経てさらにクエスチョンが発生するといった、良い循環の上に客観的な意見をいただける機会は非常に貴重であり、これからもなかなか無いと思っております。
Tutorの谷口先生と綿密なディスカッションをさせていただき、発表当日の1週間前に閃いて発表内容(論文に追加できる)情報を追加できたこと。当日の質問内容もまさに雑誌のReviewerなので、さらに良いものを作り上げることができました。
他の先生の質問も貴重な情報として補填することとなる。自分では思いつかなかった着眼点からの質問ばかりで、とても勉強になりました。
今後の研究生活でも忘れることのない4日間だと思います。最後にご指導頂いた担当Tutorの谷口先生、様々な配慮をしていただいた事務局の皆様へ心より御礼申し上げます。
石徳 理訓(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)
MWS2023に参加して
まず初めにMWS2023に参加させて頂きましたことに感謝申し上げます。大学院の指導教官から様々な専門領域の若手研究者が集まる、とても濃くて勉強になるセミナーと勧めて頂きMWSへ参加しました。沖縄到着初日のセッションからYIの先生方によるレベルの高いプレゼンテーション、それに続く白熱した議論が次々と展開され、その熱量と濃密さに大きな衝撃を受けました。過去に参加した学会や勉強会でこれほど白熱したやり取りを経験したことがなく、初日は終始圧倒され続けていました。翌日以降のセッションでは緊張も解けて少しずつ議論に加わることが出来ました。
このセミナーではリウマチ・膠原病科、皮膚科、小児科、脳神経内科など様々な分野でトピックスとなっている研究を幅広く理解することが出来ました。私はCOVID-19に関する発表を行い、沢山のYIの先生からコメントを頂きました。様々な切り口のコメントを貰い議論することで自分の研究を多角的に見つめ直す良い機会となりました。内容盛り沢山のセミナーでしたが会場を一歩出ると沖縄の青い海が広がっており、解放感を感じながら集中して学び続けることが出来ました。
チューターの松本先生にはセミナー開催前から発表についてきめ細やかなご指導を頂きました。研究についての鋭いご指摘や聴衆が理解し易いプレゼンテーションの組み立て方など多くのアドバイスを頂きとても勉強になりました。セミナー中にも様々なサポートをして頂き、セミナー後には温かいお言葉をかけて頂き本当にお世話になりました。
最後になりますが委員長の亀田先生、シニアコメンテーターの先生方、チューターの先生方、YIの先生方、そしてMWS事務局の皆様に心より御礼申し上げます。セミナーでの経験を糧に今後も研究・臨床に邁進致します。
上月 友寛(京都大学大学院医学研究科内科学講座 臨床免疫学)
初めての冬の沖縄での非日常
もし、興味があれば、臨床免疫学会主催のMidwinter seminarに参加してみてはいかがですか?
大学院生として研究生活に明け暮れていた2022年10月中旬、今回チューター(TU)として参加された谷口先生にお声がけ、推薦頂き、4日間のMWSに参加させて頂きました。MWSの存在は兼ねてより知ってはいましたが自分にはまだまだ先のこととばかり考えて半ば忘れかけていた矢先のことでした。急きょ、今の自分の研究内容を抄録としてまとめ申請書類を提出し、採用通知を受けた11月末からMWSは始まりました。
このセミナーが通常の学会発表・研究会などとは大きく異なる点が3つあります。
①TU、他のYIとの事前プレゼン準備・ディスカッション
通常の学会発表では事前準備したスライドを学内で予演してから本番に臨む流れが一般的と思います。しかし、MWSではまず作成したスライドを学外のTUにプレゼンし修正した後、さらに同グループの(時に分野の異なる)YIにもプレゼンしさらに質疑応答の末にスライドが完成します。内輪の予演会ではあまり指摘されないような視点がこの2回の外部への発表を通して入ることで自分の研究を見つめ直す機会が得られます。
②15分の発表時間と同じ質問時間
本番の発表に際しても通常の学会発表と異なり、15分と長めの発表時間に加えて同じ時間の質問時間が与えられます。この質問時間が重要で事前に磨かれたスライド発表内容が分かりやすく、皆集中して清聴するため多くの質問・指摘を頂けます。また他のYIの発表にも積極的に質問していく雰囲気・場づくりがあります。
③沖縄という非日常的環境での似た境遇のYIやTUSCとの交流
そしてこれを東京駅近郊ではなく、沖縄のまさにど真ん中のリゾートホテルで開催することで非日常的環境となり、皆がこのセミナーに集中できます。各セッションの合間には多くのフリータイムやdiscussionがあり、他のYIやTU、SCとの交流を通して、普段内輪では得難い多くの情報や経験が得られます。個人的には以前の職場で一緒だった先生や共通の知人がいる先生、大学のサークルで一緒だった(かもしれない)先生、そして自分の研究内容に近いテーマを持っている先生と出会うことができとても有意義でした。やはり皆似たような状況で悩み考えながらレベルの高い研究をされていることが何より刺激的で自身の研究へのモチベーションがぐっとあがりました。
最後にまだコロナ禍の続く中、現地開催継続にご尽力頂きました運営事務局の皆様、SC・TUの先生方、また発表に際してご助力頂きましたTUの岩田先生、そしてすべてのYIの先生方に心より感謝申し上げます。ありがとうございました!
大庭 聖也(東京医科歯科大学 膠原病リウマチ内科)
刺激的な4日間
「真冬の沖縄で君の臨床免疫学は変わる」というMWSのテーマは、参加前には本当かな?沖縄でやる意味あるのかな?と思っておりましたが、テーマの通り、本当に変わるんだ!と実感しました。
まず、セミナー開始前から行われるtutorの指導では、これまで自分が持たなかった視点や、聴衆に理解してもらうプレゼンテーションの重要性を教えて頂き、かつ何度もブラッシュアップすることで自分自身に不足していた点を明確にすることができました。tutor制度の素晴らしさを実感するとともに、tutorである松本先生には、今後の研究生活に生きる多くの助言を頂き本当に感謝します。
また、発表・質疑に関して、普段の学会であればためらってしまう質問も、皆質問することがいい意味で当たり前という雰囲気のおかけで、質問することの抵抗が薄れました。tutorやSCによるフィードバックはまさに的確で、非常に有意義なものでした。
さらに、同世代のYIとは4日という短期間ではありましたが、濃密な時間を過ごすことができました。普段の臨床・研究生活では繋がりを持てないであろう様々な分野のYIとの交流ができるのもMWSならではで、この沖縄という特別な場による相乗効果もあり、多くの仲間ができたと思います。
参加登録前は敷居が高いように思えたセミナーですが、これほどまでに充実感の得られるセミナーは他にはないと思います。成長して戻って来れるように精進して参ります。ありがとうございました。
オズデミル エズギ(九州大学医学部神経内科学)
Midwinter Seminar where something will change
MWSは、事前にチューターとのディスカッション、同じチームのYIとのディスカッションから始まります。 岩田先生にご指導いただき、初めて聞く人でも理解できるようなプレゼンの構成について、適切なアドバイスをいただきました。自分の研究内容を確認し、ブラッシュアップしていくのは、何事にも代えがたい経験でした。
皆様がわかりやすく発表してくださったおかげで、関節リウマチから消化器免疫まで、通常の学会では聞けないような話題もお聞きすることができました。内容的にも、とても勉強になりました。また、久しぶりの神経学会以外での発表ということで緊張しましたが、YIの先生方からもたくさん質問をいただき、TUやSCの先生方からもコメントをいただき、とても嬉しかったです。自分の発表に対して質問や意見をいただくことで、研究を進める上での課題が明確になり、今まで考えもしなかった新しい視点を発見することができました。また、毎日質問やコメントをすることにも挑戦しました。質疑応答の時間が長いので、よく考えてから質問することができ、通常の会議ではできないような基本的な質問もできる利点がありました。質問する機会を持てたことは、自分にとってプラスになったと思っています。
沖縄でYIのハイレベルな発表を聞くことで、集中力が研ぎ澄まされ、熱い質疑応答に参加することができました。
最初は、他のYIとコミュニケーションをとることに、自分が溶け込めるかどうか、とても緊張していたのですが、皆さんとても歓迎してくださり、YIの先生方とも、初めてお会いするにもかかわらず、とても楽しくお話することができました。自分の将来の方向性(臨床と研究のバランス)や卒論をどうするかなど、様々なことを話すことができ、他では取り入れられないようなアドバイスや気づきを得ることができました。これからも連絡を取り合い、お互いに励まし合えるような仲間になれればと思います。
沖縄から福岡に帰ってきて、楽しくて刺激的だった4日間が終わってしまい、寂しい気持ちになりました。しかし、その後は「もっと免疫学のことを知りたい!」と思うようになりました。MWSは、留学を始めてから「視野が広がった」経験であり、「刺激」になったことは間違いありません。MWSに興味を持たれた方は、ぜひ参加してみてください。
最後に、参加を勧めてくださった磯部先生、このような機会を与えてくださったチューターの岩田先生、運営委員の皆様、事務局の皆様、旅行会社、企業の皆様、関係者の皆様に深く感謝いたします。
要石 就斗(京都大学大学院医学研究科 皮膚科)
MWSはこうしたらもっと良いのではないか?
MWSが最高のセミナーであることは間違いありません。どのように素晴らしいか、いかほど人生にインパクトを与えるかは、過去のそして今回の参加者の声を見ていただければ瞭然です。同じことを書いてもよいのですが、これからのZ世代にも刺さるような多様性のある持続可能なセミナーであってほしいがために、気づいた点を3点挙げさせていただきます。
1点目はシラバスの事前配布です。グループに分けあらかじめ交流できる点は素晴らしく、同じグループの方の研究、発表内容を事前に知れることは大変有意義でした。ただ、グループ以外の方については開催当日にシラバスが配布され、15分の発表を聞いてどう端的に質問できるかの瞬発力を試されているようでした。聞きなれない分野の話が多いので、どのような研究内容かをある程度知り、予備知識をつけておければよかったと後悔しています。もちろんデータや情報の保護の問題があるので、アブストラクトの提示や、2~3枚のまとめスライドを事前に共有するのはどうでしょうか。みなさんにとって負担ですかね。
2点目はフリータイムの過ごし方の選択です。各日の規定の日程が終了したあとの過ごし方は、選択の自由が明瞭にあったほうがよいのではと感じました。個人的にはこの昭和感が好きですが、そうでない方もいることへの配慮も必要な気がします。また予めYIのSNSグループを作っておけると、当日に慌てて行く当てを探したり、このあとのフリータイムどうしようかと思案したりする空気はなくなりそうです。
3点目はセミナー参加までの諸々です。交通手配やセミナーの日程(開始時間、終了時間)の周知が直前まで不確定であり、初めて参加する者にとっては要領がわからず抵抗がありました。補助をいただいておきながら恐縮ですが、交通手配は各自で行い清算するほうが、旅行会社様の連絡をいつかいつかと待ち、結局希望する便が予約できなかったというもやもや状態にならなかったと思います。
大変失礼いたしました。このMWSの多大なる必要性に比べれば取るに足らない愚痴で、不便な状況がかえって皆で協力した時間を共有できたということの大切さに感想文を書きながら気づきました。事前のご指導から沖縄での4日間まで、みっちりマネジメントしてくださったチューターの先生方、期間中ご指導や会の運営など執り行ってくださった先生方や事務局及びスポンサーの皆様、そして一緒に4日間をともに過ごしたYIの先生方に、厚く御礼申し上げます。
神田 友梨恵(産業医科大学第1内科学講座)
免疫学って面白い
参加する直前までは「真冬の沖縄で君の臨床免疫学は変わる」というMWSのキャッチフレーズの意味が良く分からず、正直なところ、今更セミナーに参加しただけでそんな事・・・と大変失礼ながら消極的な気持ちでおりました。しかし日常から遠く離れた沖縄という場所で、診療科を超える若手研究者の方々のとても興味深い研究を聞きまくり、またSenior commentator(SC)、Tutorの先生方の華麗なる研究Historyを4日間ひたすら聞きまくると「免疫学って面白い!」という気持ちが過去最高に高まり、4日後私は変わっていました。
学会では尻込みしてしまいあまり質問ができない人間だったのですが、SC、Tutorの先生方が質問しやすい環境を整えて下さったお陰で、聞きたいことが湧き上がり途中疲れながらも好奇心に駆られ質問しまくる4日間でした。様々な視点から出るYI同士での質問は非常に勉強になりましたし、YIに続きTutorの先生方から出る俯瞰的で的を射抜く質問は胸に刺さりました。私自身の発表に対しても沢山の有意義なご意見、ご質問を頂くことができpositive feedbackが絶えない4日間でした。
YIの皆さんは全員が初めて会う方々でしたが、帰る頃にはお別れが寂しくなる程で、新しい繋がりができ本当に参加してよかった、と感じています。帰路の途中、もっと勉強しなければ、もっと様々な経験を積まなければ、そんな事を自然に考えている自分がおり、MWSの参加が今後の自身の進路にも影響を与えてくる、そんな気がしています。
MWSで得た友人、先生方との繋がりはこれからもずっと大切にしていきたいと思います。
最後になりますが、参加する機会を与えて下さった田中教授、亀田教授、貴重なご意見・ご指導を下さったTutorの先生方、一緒に過ごして下さったYIの皆様、事務局様そしてスポンサーの皆様に心からお礼申し上げます。
久我 大雅(順天堂大学膠原病内科学講座)
私にとっての国内留学@沖縄
日本臨床免疫学会総会で発表した際に、教授からMWSについて教えて頂いたのがきっかけであった。私の所属大学ではこれまでMWSへの参加者はおらずなぜ沖縄でやるのかわからなかったが、きっとよい経験になるだろうと思い参加した。
私は所属大学内の膠原病内科→免疫学教室へ出向し研究する中で、臨床的視点を持ちつつ基礎医学研究をしているつもりでいたが、参加初日から”臨床免疫”という視点を改めて認識するとともにこれまでと異なる水準で考える大切さを強く認識した。
それは何よりチューターの先生方の研究全体を把握した上での的確な質問やアドバイス、研究計画の提案をされる姿を目の当たりにしたからである。疾患としての集団にフォーカスするのか、個別の症例にフォーカスするのか、一般化された生命現象をどのように関連付けて解析するか、アプローチは多岐にわたる。その中でいかに研究のアウトプットをより価値のあるものに、説得力のあるものにできるか。研究に正解はない。
それでもチューターの先生方と同じような目線で質問や意見をするために必死で発表を聞き質問していく中で、少しずつ考え方が磨かれたように感じられた。”臨床免疫”という観点では生命現象を追求するだけでなく、臨床や創薬にどのように活かせるかという視点も常にもち研究を進める大切さを学んだ。濃密な発表&質疑応答の繰り返しを通して自分の理解や考えを”アウトプット”しながら様々な先生方と議論できる機会がたくさんある、というのはどんなに学会に参加してもなかなか得難い経験でありMWSならではの、非常に価値のある時間だった。
私自身は留学を現時点では断念しているが、研究のロジックやプラニングを深めるという点で個人的には留学半年分ないしそれ以上の貴重な経験になったと思う。もちろんこれから留学を検討されている方にとっても、チューターの先生方の留学経験のお話も通して、間違いなく土台となる経験ができる機会になるはずである。なぜ沖縄でやるのか、それはあまり意識しなかったが気付けば最終日まで頭が疲れると感じることは一切なかった。疲労として残っていたのは30分のウェイクボード体験による四肢体幹あらゆる部位の筋肉痛だけであった。
海の力に支えられ、純粋にサイエンスを論じる楽しさをこれ以上なく感じられる環境を用意してくださった運営事務局の皆様、運営委員長の亀田先生、直接指導して下さった千原先生をはじめとするチューターの先生方、MWSを継続して下さっている日本臨床免疫学会、協賛企業の皆様に深謝申し上げます。本当に有難うございました。必ずこの経験を活かして飛躍していきたいと思います。
髙橋 悠(東京大学医学部附属病院 アレルギー・リウマチ内科)
4日間のリセット期間
Midwinter Seminar 2023という貴重な機会に参加して心からよかったと思う点が3つあります。1つ目は、少人数の中で自分のテーマについて濃密に議論できたという点です。2ヶ月前からのtutorの個別指導、当日の15分の発表と15分の質疑応答、その後の亀田先生からの講評、会終了後のtutorの先生方からのフィードバックという一連の流れで、自分の研究について全く違う分野からの新しいご意見やすぐにでも実行できる現実的な案をいただきました。早く試してみたい、と発表途中にワクワクしたというのは今までの発表では味わったことがない感覚でした。2つ目は、同年代の先生(YI) やtutorの先生とゆっくりお話しができたことです。事前のチーム毎の指導で、すでにチーム内の先生とは顔見知りになっているという安心感から、普段人見知りで第一歩が踏み出せない私でも、ほぼ全員のYIの先生とお話ができました。フリータイムに一緒にクラフト体験したり、”discussion”をしたりする中で、自然と距離が縮まり、不思議と研修医友達のような心地よさを感じました。また、tutorの先生方は”discussion”の中で、研究や留学での経験を、苦労やその乗り越え方も含めて気さくにお話しくださりました。今回伺ったことは今後の研究生活で困った時の糧として心に残しておこうと思いました。3つ目は、臨床免疫学に没頭できる時間ができたことです。毎朝海岸沿いを波の音を聞きながら歩いて会議場に行くような、普段とは異次元の環境で、免疫学をdiscussionすることに専念できるということは、他ではあり得ない体験かと思います。こういった「修行」にも似た体験を経て、飛行機に乗る頃には、また頑張ろう、と研究に対して前向きになって帰ってくることができました。
最後に、tutorとしてお世話になった三上洋平先生、とても楽しい時間を一緒に過ごしたYIの先生方、TutorやSCの先生方、事務局の方々に深く御礼申し上げます。
高野 智圭(日本大学医学部 病態病理学系微生物学分野)
MWSを終えて
沖縄で過ごした4日間は想像以上に濃密でした。
Young Investigatorsの皆様の発表、質疑応答、さらにはチューターの先生方からのご指摘と亀田先生の総括を通して多くを学びました。学問的なことだけではなく、すでにレベルの高いプレゼンテーションをさらに上に引き上げるには、どのような背景で始め、どこを深掘りして、どのように結ぶのが良いかを、具体的に学べる機会はそうあるものではありません。とても貴重な経験となりました。自分の研究に対してもですが、はじめて目にする発表に対して瞬時にポイントを掴み、仮説の証明に必要な内容や、限界点を整理できる力を磨いていきたいという強いモチベーションに繋がりました。
チューターである藤枝先生には、セミナーから遡ること2か月前から温かいご指導を頂きました。いかにして「わかりやすく伝えるか」、詰め込んだスライドを良くするには「削ぎ落としからはじめる」という2つのポイントは私に深く刻まれ、大きなスキルアップに繋がりました。今後、後進の指導にも存分に生かしていきたいと考えております。
セミナー中は議論の時間だけでなくフリータイムも設けて頂き、Young Investigatorsの皆様と交流出来たことも大変有り難かったです。開催場所のみならず、考え抜かれたMWSの構成に、感激の連続でした。田中先生、亀田先生をはじめ、運営委員の先生方、事務局、旅行会社、スポンサー企業の皆様、参加されたすべての先生方に心より感謝申し上げます。
髙山 明日香(千葉大学大学院 医学薬学府 アレルギー・臨床免疫学教室)
MWSを終えて
まず、MWSに参加させていただきありがとうございました。
私がMWSの存在を知ったのは、上司の「沖縄ですごくためになる勉強会があるよ」といった言葉からでした。
研究を始めてから日が浅く、やっと発表できるようなデータが出始めた中での参加だったため、自分なんかが参加してもよいのだろうかという不安を抱えながらのスタートでした。年末・年始はチューターの先生に、同じグループのYIと一緒にご指導をいただける機会を複数回設けていただいたのもあり、何とか無事発表まで持っていけました。
現地についてからはあっという間でしたが、非常に充実した時間を過ごせたと思っています。
普段は、学会等のイベントにおいても基本的には自身の科の方々としか関われませんが、この会には皮膚科や神経内科、小児科など、様々な分野・診療科からのYIやチューターがいらっしゃいます。行っている研究も幅広く、様々な視点からの意見を聞けたり、自分の知らない分野、研究手法などを知れたのが本当に良かったです。また、ディスカッションはこれまで経験したことがないくらい盛りあがり、設定された時間以外でも研究の話でもちきりで、文字通り臨床免疫学漬けの4日間を過ごすことができました。
また、会話が盛り上がる中で当然自分の勉強不足な点も多く浮き彫りになり、もっと精力的に臨床や研究に取り組まなければならないな、と反省しました。
今私は大学院生で、将来の進路のことなどはまだ決められていないのですが、研究の道に進み、自身の研究に誇りをもって免疫学を純粋に楽しんでいる先輩方の姿を見られたことも、この会に参加してよかったなと思った点です。
正直なところディスカッションのレベルが高く、ついていくのが精いっぱいだったのですが、様々なことを優しく教えてくださったチューターの先生方やYIの方のおかげで心が折れたりることはありませんでした。むしろ行く前よりもやる気が上がった状態で帰ってこられたので驚いています。この会に参加して本当によかったと心の底から思っています。
最後になりますが、丁寧にご指導してくださった大西先生をはじめ、チューターの先生方、参加したYIの方々、運営・準備していただきました事務局・企業の皆様に厚く御礼申し上げます。
照井 仁(東北大学大学院医学系研究科 皮膚科学分野)
MWSで得た仲間
恥ずかしながら、私は臨床免疫学会のMWSの存在を知らなかったのですが、ある日、当科の浅野教授から参加を促され、参加することになりました。
MWSの特徴は、なんと言ってもチューター制度の存在です。MWSで発表するスライドをチューターに数回見てもらい、内容や発表方法の改善を行います。はじめましての他大学の先生に発表をチェックしてもらうなどの経験はありませんでした。実際に私は松本先生にスライドを細かくチェックしていただきました。私の発表は基礎研究が中心であり、臨床応用についてディスカッションを行い、発表に向けた準備を行いました。
沖縄という非日常の地に身を置き、ホテルに缶詰めでディスカッションを行うという異様な光景でしたが、とても楽しかったです。私自身は大学院生を卒業し、臨床に復帰して1年が経とうとする時期でした。大学院生を指導する立場にはなったものの、自分でピペットを持つことはなくなり、臨床に忙殺される中で、久しぶりに研究に関連したセミナーへの参加でウキウキした気分になりました。また、自分自身、研究が好きなことを再確認する良い機会となりました。
また、私は皮膚科医ということもあり、皮膚科の学会やセミナーに参加することが多かったため、他診療科の先生との意見交換はとても貴重でした。どの先生もフレンドリーで話しやすく、皆の悩みや将来についても語り合うことができました。自身が専門にしている自己免疫疾患や乾癬についても先生方とは今後付き合う機会があると思われるため、刺激的な仲間に出会うことができたのは私にとっての財産です。
このセミナーに参加することで、最新の研究に触れ、研究に取り組む上での新しい知見を得ることができました。
西山 泰平(筑波大学 膠原病リウマチアレルギー内科)
MWS2023に参加して
COVID-19の流行により2021のMWSは中止、2022年は3日間の短縮開催となったと聞き、今年はどうなるかと不安に思っておりましたが、2023年は無事に4日間の開催となり、とても貴重な体験ができました。
MWSへの参加が決まった当初は、中途半端なデータしか揃っていない状況できちんとした発表ができるのか不安でしたが、チューターの千原先生に丁寧に指導いただき、同じグループのYIの先生方にも意見をもらい、なんとか形にすることができました。発表の事前準備では、発表スライドの見せ方に始まり、他科の先生からの鋭い指摘をいただき、普段の科内のミーティングでは得られない様々な気づきがありました。
実際にMWSが始まると、初日から活発な質問、討議が行われ、臨床的な内容から免疫学の基礎的な部分まで幅広い視点での意見が交わされ、レベルの高さに驚きました。2日目からは、私も他の発表者へ積極的に質問し、ディスカッションをすることで多くを学ぶことができました。自身の発表は最終日でしたが、皆様から多くの質問、意見をいただくことができ、今後の研究を進める上でとても参考になりました。
フリータイムには、沖縄という開放的な環境も手伝って、発表の場では聞きにくい実験の細かなtipsを気軽に聞くことができ、また、普段の臨床と研究のバランスや大学院での生活の様子などについても語り合えたため、とても有意義な時間でした。今後も、研究や臨床を続けていく中で、今回のMWS 2023で知り合った先生方との縁を大切にしつつ切磋琢磨していければと思います。
最後になりますが、ご指導いただきましたチューターの千原先生をはじめ、YIの先生方、このような貴重な機会を用意いただきました諸先生方、事務局の皆様に厚く御礼申し上げます。
蜷川 慶太(北海道大学 大学院医学系研究科 免疫・代謝内科学教室)
Mid Winter Seminor2023を終えて
この度はMid Winter Seminor2023へ参加させていただき、誠にありがとうございました。今回のMid Winter Seminorは個人的に非常に実りが多いものであり、参加してよかったと感じております。
自分の所属している大学のスタッフの先生方や同僚以外から自分の研究に対して意見がもらえたこと、特に他の分野の先生方からご指摘頂ける機会はなかなかないので、とてもよい経験になったと思います。また、チューターの先生方がこれまでどんな研究をされてきて、留学でどんなことをしてきたのかというお話を聞けたのも、私自身の今後を考えていく上でとても勉強になりました。
しかし、今回参加して私が得たものの中で一番重要な収穫は、やはり仲間から得られる刺激とモチベーションでした。同世代の仲間も研究活動を頑張ってる姿を目の当たりにして、自分もより一層頑張りたいと感じました。
帯広から遠かったですが、本当に参加してよかったと思います。
研究・発表をご指導いただいた先生方、Cグループを始めとしたYIのみなさん、チューターの三上先生、その他スタッフの皆様には大変感謝しております。
またどこかでお会いした際はどうぞよろしくお願い致します。
野間 康輔(広島大学大学院医系科学研究科小児科学)
Midwinter Seminarを終えて
私にとっての真冬の沖縄での4日間は、想像を遥かに超えて、刺激的で充実したものであった。本当に行って良かった。「沖縄という非日常に、4日間packingして行うことに意味がある」という亀田先生の言葉に、今改めて納得させられている。ここでは、私がMWSで得た3点について述べさせていただこうと思う。
1点目は、サイエンスの楽しさを改めて感じることができたこと。MWSの特徴のひとつである長い討論時間では、さまざまな意見が飛び交う。はじめはそのレベルの高さに圧倒されていたが、思いの向くまま議論できる雰囲気と、同世代であることや沖縄という非日常環境もあり、自然とそこに参加したくなる。そして、討論後のSC、チューターの先生からのコメントは、どれも鋭く、自分では考え付かなかないような研究の本質を見抜いたものであり、感服すると同時に自分もそのような視点を持ちたいと感じた。そういった環境でさまざまな研究と向き合っているうちに、いつの間にかサイエンスの面白さ、奥深さにひたっていた。
2点目は、さまざまな角度から研究を見ることの重要性を再認識したこと。これも当たり前のことだが、異なった分野の専門家が自分の研究を真剣にみてくれるMWSでは痛感させられた。今回私が発表した内容は、ある程度完結したもので、皆さんと分野が少し違うこともあり、議論が盛り上がるか少し心配であった。しかし、そんな心配は無用で、いままで考えたこともなかった観点からの、かつ臨床的にも非常に重要なコメントをいただいた。改めて一つの事象を異なった視点でみることにより、研究は大きく広がることを知った。
3点目は、MWSでしか出会えない素晴らしいYIの同期と知り合えたこと。これが1番の収穫である。深い知識を持っているのはもちろんのこと、研究に対する真摯で熱い姿勢には非常に刺激を受けた。皆さん人間性も素晴らしく、そのような尊敬できる同期の存在は、先輩方から受ける影響とはまた一つ異なったものであり、この出会いをこれからも大切にしていきたい。
これらのMWSで得たものを忘れず、いつか「あの時MWSに参加して良かった」と思えるよう、そして皆さんの前で胸を張って言えるよう、これからの臨床と研究に精進していこうと思う。
最後になりましたが、丁寧に直接ご指導いただいた大西先生をはじめとしたSC・チューターの先生方、MWSの運営にご尽力くださった事務局・企業の方々、そして共に学び、楽しく過ごしてくださった同期のYIの先生方、すべての皆様に厚く感謝申し上げます。
宮岡 大知(大阪公立大学大学院医学研究科 ゲノム免疫学)
MWS2023を終えて
この度MWS2023の一員に加えて頂けたことに感謝致します。
「MWSという刺激的な会があるけど、年齢的にも参加できるのはギリギリだと思う」と上司から教えてもらい、初めてその存在を知りました。ホームページを眺めてみて、現時点での自身の研究結果では時期尚早ではないかという不安もありましたが、視野を広げるチャンス、短期的な目標にもなればと考え、思い切って応募させていただきました。
事前Zoomミーティングでは、チューターの藤枝先生に、「相手に伝わること」を主眼に置いたスライド作成およびプレゼン構成をご指導頂きました。自分では気付かなかった曖昧な説明や、初見で理解しにくい図表などを丁寧に指摘頂き、そぎ落としと美しさの重要性を実感できました。ちょうど同時期に修士課程の学生の発表を指導する機会があり、今の自分の立場で、このような貴重な機会が頂けたことは本当に幸せなことだったと思っています。
実際のセミナーでは、YIの先生方の非常にレベルが高く洗練された発表と、その後の質疑の応酬に初日から圧倒されましたが、専門外の内容でも集中して拝聴でき、鋭い質疑を通して振り返りながら様々な視点を学べました。現地開催ならではの会場の雰囲気に後押しされ、議論に参加することの楽しさも感じられたのは驚きでした。自分の発表は、透析患者の腸内細菌叢という少し毛色の違った内容でしたが、YIやTutorの先生方からたくさんの質問やコメントを頂け、有難かったです。ディスカッション以外でも個別にご指摘頂いた点を含め、前向きにPhysician Scientistにしかできない研究を進めていけたらと思います。また、食事や飲み会の席、移動中のバスなどで、同年代のYIの先生方と日々の仕事から子育てまで、プライベートなお話をさせて頂き、共感からモチベーションに繋がったことも大きな収穫であったと思います。
最後になりましたが、直接ご指導いただきましたTutorの藤枝先生、同じグループの高野さんを始めYIの皆様、またこのような貴重な場を用意いただきました諸先生方・事務局の方々に改めて御礼申し上げます。
山村 修司(熊本大 学病院皮膚科)
いつもと違う場所で、いつもと違う人達と、いつもと違う熱さで
ある日、当教室の福島教授に「沖縄でMWSという勉強会があってね、いろんなバックグラウンドの先生達とこんなにガチでディスカッションする勉強会って他にはないんだよ。先生にとって絶対に良い経験になるから是非行ってみて!」と熱くお勧めされ、参加応募させていただきました。MWSのホームページを見てみると「真冬の沖縄で君の臨床免疫学は変わる」と書いてあります。たしかに私自身、実際に参加してみて「たくさんの新しい発見と成長があったな」と実感しています。
まずは初日、会場に着いてオリエンテーションと基調講演が終わると、早速最初のグループの発表が始まります。第一演者のYIの発表が終わると、すぐに同世代のYI達が質問者用マイクの前に集まり初め、次々と列を成していきます。そしてなんと一発目から、予定されていた 15分間の質疑では収まり切らない、信じられないくらい熱くて真剣なディスカッションが始まりました。このときが私にとって、MWSを通じて最も衝撃的な瞬間でした。これまでの学会や講演会では、経験豊富な先生が1~2個の質問して終わるのが普通で、私はそのことに慣れきっていました。その後のディスカッションでも、時間一杯まで次々と質問や議論が飛び交い続け、そうして真冬の浜辺の熱い1日は瞬く間に過ぎ去っていきました。1日目、私はその熱量に圧倒されっぱなしで、ついにディスカッションに加わることができずに終わってしまいました。その日、海辺で夜風に当たりながら「このままでは沖縄のきれいな海を見に来ただけで終わってしまうな」と少し焦りました。
2日目、なんとか自分もディスカッションに加わろうと、とにかく必死に発表を聞きました。これまでの人生で一番真剣に発表を聞いたと思います。その甲斐もあってか、いくつかの質問をしてディスカッションに加わることができました。合間の休憩時間にはTutorの先生から「良いディスカッションをしてたね、その調子でいこう!」と激励をいただきました。その言葉に励まされつつ、3日目もとにかくなんとか食らいつこうと真剣に発表やディスカッションを聞いていく中で、自分の研究に活かせるような新たな視点や考え方を学ぶことができました。最終日の4日目は自分の発表でしたが、YIと熱いディスカッションを交わすことができ、すべてが終わった後には「この4日間で見違えるほど成長した」と我ながら実感しました。
今回、講演の中で"Think different."という言葉を教えていただきました。「発想を変えよう」とのことです。私はMWSを通じて「いつもと違う場所で、いつもと違う人達と、いつもと違う熱さで」交流する中で、普段では得られないような大きな気付きと成長がありました。今回MWS2023に参加できてよかったと思います。
このような機会を与えてくださったYIの先生方、運営委員の先生方、講師の先生方、事務局の方々、本当にありがとうございました。